需要が増えている半導体製造へのEUVの利用と日本の現状

需要が増えている半導体製造へのEUVの利用と日本の現状

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近年サーバー技術はすさまじい速度で発展しています。そんななか、半導体製造でのEUVの需要が増しています。なぜEUVが必要とされているのでしょうか?  ここでは、EUVの概要とともに、日本のEUV開発の現状をご紹介します。

EUVとは?-半導体製造との関係

EUVとはExtreme Ultravioletの略称で、13.5ナノメートルの非常に短い波長の光のことです。日本語では極端紫外線と呼ばれます。

半導体の重要な製造工程に「露光」がありますが、EUVは露光装置として利用されています。EUV露光装置の開発は、現在オランダの大手半導体製造装置メーカーASMLのみが成功しており、20203月現在で市場シェアは100%です。ASML2021年のEUV露光装置売上高が前年比20%増になるとの予測を示し、一層のニーズの拡大が見込まれています。

半導体製造工程の露光になぜEUVが必要とされているのか?

なぜ、EUV露光装置のニーズが高まっているのでしょうか? 半導体製造における露光工程では、シリコンウェハー上の狭い範囲に複雑な回路を書き込まなくてはいけません。それには、波長が短い光源が必要になります。

1970年代から80年代前半までは波長436ナノメートルのg線が使われていました。

しかし近年、データセンターに使うサーバーの技術革新に伴い、半導体に書き込む回路が複雑になると同時にチップサイズの小型化が必要とされ、波長365ナノメートルのi線へと移行。続いて波長248ナノメートルのクリプトン・フッ素エキシマレーザーへと技術は進歩しました。

2000年代に入ると、波長193ナノメートルのアルゴン・フッ素エキシマレーザーにより露光技術が大きく進歩。非常に細かいパターン形成が可能になったのです。

しかし、さらに微細で複雑な回路を書き込むには、アルゴン・フッ素エキシマレーザーでは特殊な技術が必要となるため、高コストになるという問題が発生しました。

そこで、EUVを用いた露光装置が開発されたのです。EUV露光装置を利用すると既存の技術でより細かな回路描写ができるため、ランニングコストを抑えることが可能になります。

日本の半導体製造におけるEUV露光装置開発の状況は?

茨城県つくば市でEUV露光装置関連の国家プロジェクトの遂行を目的に、2011年にEUVL基板開発センターが設立。経済産業省傘下である新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との共同研究事業として、2015年までの4年にわたり「次世代半導体微細加工・評価基盤技術の開発」を中心にプロジェクトが進められていました。

同プロジェクト終了後は先端ナノプロセス基盤開発センター(EIDEC)に名称を変更し、研究を実施。テーマはデバイス設計や製造時に問題となるナノレベルの欠陥の改善や制御といった、EUV露光装置自体ではなく周辺技術についてのものでした。同センターは2019年に解散しています。

なお、露光装置のメーカーとして日本にはニコンとキヤノンがありますが、EUV露光装置のシェアは前述のとおりASMLが独占。現在は、その他の露光装置についてもASMLにシェアを奪われています。

EUVの需要が増えている一方で、残念ながら日本のメーカーは厳しい状況にあると言えます。

半導体製造において今後ますます必要とされるEUV

近年、サーバー技術の発展に伴い私たちの生活は非常に便利なものになってきました。以前は空想の世界でしかなかった車の自動運転や人工知能の開発など、さまざまなものが現実のものとなってきています。この発展に半導体は欠かすことができません。半導体の技術開発は今後も進められ、その製造工程においてEUVはますます重要な存在となっていくのではないでしょうか。

リタールの製品は世界中のどんなところで使われているの?

参考:

Rital official website

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