製造現場のIoT化におけるAI化の重要性

近年、車の自動運転やスマートフォンのアプリなど、私たちの身近にあるさまざまな技術にAI(人工知能)の導入が進んでいますが、製造現場においても同様の動きがみられます。
日本では2015年10月から、総務省・経済産業省協力のもと、製造現場でIoT技術の活用を進めています。IoT化実現のためにはAI化が必要とされています。
では、なぜIoTにAI化が必要になるのでしょう。また、AI導入によりどのようなことができるのでしょうか。

製造現場のIoT化におけるAI化とは

製造現場におけるAI化とは、「コンピュータに人間と同じレベルの知能と知識を学習させること、つまりディープラーニング」を指します。今までは人がプログラミングしコンピュータに条件を設定していました。この部分をAI自身に考えさせ、自動的に条件を設定させようとするのです。
AIは、機械や電気などほかの技術と組み合わせることにより、その効果を発揮します。ここで組み合わせるべき技術のひとつがIoTなのです。

IoT化にAI化が必要となる理由

ドイツの「インダストリー 4.0」やアメリカの「インダストリアル・インターネット」、中国の「中国製造2025」と、世界中で製造現場へのIoT化が進められています。同様に日本でも、「IoT推進コンソーシアム」の設立や「コネクッテッドインダストリーズ」の提唱とIoT化が進み始めています。
製造現場のIoT化にとって、AI化は重要な要素のひとつです。IoTとはさまざまな機器をインターネットに接続し、情報を集約し処理する事を指しますが、コンピュータに学習させることまでは含まれていません。そこで、IoTで収集した情報をAIに処理をさせることで、コスト削減や品質向上、工程短縮につなげていくのです。

AI化でこんなことが可能に-製造現場における活用事例

実際に製造現場にAI化を導入した事例をいくつか紹介します。

シミュレーションのAI化

コンピュータによるシミュレーションにAIを導入すると、人の手でテストをするより、さらに多くのテストが可能になります。

機器管理のAI化

今までは生産設備に異常や故障が発生した場合、目視で確認してきました。しかしIoT化により異常や故障を即座に発見することが可能になります。また、各設備の消費電力から稼働状況を判断できるため、一元管理を行えます。

エネルギーの見える化

現場の製造機器の運転データをIoTで常に収集しておきます。集めたデータをAIが分析して、人の目より先に機械の異常を把握することができるため、迅速な処置が可能です。

トヨタでのAI化

日本の自動車メーカー、トヨタでは、今まで人の手で行っていた実証作業をAI化により効率化し、材料開発のサイクルを早めることに成功しました。

ポスコでのAI化

韓国の鉄鋼メーカー、ポスコでは、作業者の熟練度に応じて品質に差があった自動車鋼板の溶融亜鉛めっきにAIを導入し、品質の向上や生産性拡大、生産コストの削減を行っています。

新薬開発におけるAI化の導入

アメリカでは新薬開発の分野にAI化の導入が進められています。AI化により新薬開発における精度とスピードの向上が期待されます。製薬分野スタートアップ企業、twoXARの共同創設者兼CEOアンドリュー・ラディン氏は、膨大な病気に関するデータとAIを活用することにより、新薬開発を進めていると述べています。

人間との協働作業へのAI化

ロボット掃除機ルンバの生みの親であるロドニー・ブルックス氏は、AIによる協働型産業用ロボットの開発を行いました。このロボットは実際に見せることにより人間の動作を学習させることができ、プログラムに詳しくなくてもロボットに教育ができます。このように、AI化により人間との協働作業を可能にさせました。

人間の仕事がAIに奪われるという意見もあるが

AIの導入で人間の仕事が奪われるのではないかという意見を聞くことがあります。確かに、AIによる自動化が進めば、今まで人間が行っていた単純作業を機械で処理できるようになるため、人間の仕事は減るでしょう。しかしAIによる自動化が進んだとしても、人の手による処理が必要な工程は必ずあります。仕事のすみ分けをしっかりと行い見直すことで、AIとうまく付き合っていくことができるのではないでしょうか。

 

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参考:

総合カタログ35
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