現代の生活ではさまざまな場面で電気機器が使われています。テレビ、自動車、電車などの電気機器を制御するためには、電気設計が欠かせません。そのため、電気設計者の需要は増える傾向にあります。
一方で、電気設計には必要とされる専門的知識が多くあり、業務を進めるときには多くの問題に直面します。そこで、電気設計の際にどのような問題が起き、再発防止にはどのようなものがあるのかを考えます。
電気設計の際に直面する問題とは
電気設計を行う際に、どのような問題に直面するのでしょう。製造するものや業務内容による問題もありますが、主に発生する問題は、配線や部品の番号重複や誤り、選定ミス等です。問題自体は小さな人為的ミスですが、その結果生じる時間のロスによる遅延といった損失は小さくはありません。
また、盤の設計時にも発生する問題があります。盤に入れる部品に対し、盤筐体の大きさが適切でなかった場合、盤内に無駄なスペースが生じたり、部品が入りきらなかったりすることになります。
電気設計では、電気CADのようなツールを使うことによりミスの軽減が可能です。適切なツールを確実に使うことで、起こりうる問題を事前に防止することが重要です。
電気設計で生じた問題。その後に待つこととは
電気設計の際に問題が生じた場合、その後にはトラブル処理としてさまざまな対応に追われることとなります。社内関係者との調整、顧客への説明、対応策をまとめた書類の作成など、電気設計がうまく進めば本来不要であった業務を追加で行う必要が出てきます。電気設計者に限らず誰でも、できることなら避けたいと思う、面倒な業務ばかりです。さらに、被害や損害を最小限に食い止めるべく、ダメージコントロールを平行して実施する必要もあります。
そのため、電気設計を行う際は常に注意を怠らず、問題を起こさないよう事前の対策が重要になります。
電気設計の問題。再発防止のためにするべきこと
しかし、問題はどれだけ事前に注意していても起きてしまうものです。では生じた問題に対し、どのように再発を防げばいいのでしょう。再発防止のための3つの方法を紹介します。
作業の標準化
はじめに、標準化です。多くの企業では人為的ミス防止のため、規則や規定などをつくり作業のルール化を実施しています。そうすることで、仕事の品質を高め、なおかつ効率を上げることができます。また、一度犯したミスを考慮した標準化の実施により、同様の問題発生を防ぎます。
教育の実施
次に、標準化と合わせて教育も必要です。問題に関する情報や得た教訓を共有することにより、自分以外の人が同じ問題を起こすことを防ぐことができます。教育を続け後世に伝えることにより、将来的な問題の再発防止にもつながります。
ツールの導入や入れ替え
最後に、ツールの導入や入れ替えも重要です。電気設計でいえば、電気CADがツールとして多く使われています。電気CADでは電気記号や配線記号などが利用できるため、回路図の作成が容易になります。そのため、電気CADの導入は電気設計時の問題を軽減することに役立つでしょう。ただし、その技術は進化し続けており、バージョンアップも頻繁にあります。そのため、ツールを導入したら終わりではなく、必要に応じて入れ替えを検討することも大切です。
電気設計に限らず問題は起こるもの
ここでは電気設計に焦点をおいていますが、どの分野においても、業務を進める際に問題は必ず起きるものです。問題を未然に防ぐために事前に備えることは大事です。しかし、問題が実際に起きたのちに、迅速かつ適切に対応することも、同様に重要といえるでしょう。また、問題に対し真摯に取り組むことが自身のスキルアップにもつながります。
問題が起きた際にはどうしても目をそむけたくなるものですが、投げ出すことなくしっかりと向き合うことが将来の自分自身のためにも役立つでしょう。
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