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    風力発電とIoTの関わり

    環境や安全への意識の高まりを受け、太陽光やバイオマス、風力や波力など、再生可能エネルギーへの関心が高まっています。なかでも太陽光や風力による発電施設は、市民の目にも分かりやすいため、近年急速に数が増えていることが実感できるでしょう。新しい発電施設が作られるのに伴い、それに付随した新しい技術の導入も進んでいます。モノとインターネットがつながるIoTも、新しい発電施設に導入が進む技術のひとつです。今回は再生可能エネルギーのうち、風力による発電とIoTとの関わりについてご紹介します。

    自風力発電の特徴

    風力発電とは名前の通り、風の力を利用する発電方法です。海沿いや山の尾根などに並ぶ白い大きな風車を見たことがある人も多いのではないでしょうか。風の力で大きな羽根の風車を回し、その先にある発電機のタービンを回す仕組みです。化石燃料に頼らないため発電の際にCO2を排出せず、環境に優しいのが特徴です。また地球上に残された化石燃料が有限であるのと違い、風がなくなることはありません。そのため資源の尽きることのない再生可能エネルギーであることも、風力発電が注目を集めている理由のひとつです。

    しかし風力発電にも欠点があります。まずは自然のエネルギーを利用した発電であるため、発電量が安定しにくいことが挙げられます。その日の天候や季節によって風の向きや強さが変わってしまうため、発電量を外からコントロールすることができません。それだけではなく、台風のような極端な強風が予想される場合には、安全のために風車を止める必要があります。風があっても発電できない日があるのです。さらに景観や生態系への影響を懸念する声も上がっています。風を効率よく受けるために風車は見晴らしの良い場所に設置されることが多く、景観を壊すとして反対の声が上がることもあります。また回転する風車に大型の鳥が激突して命を落としたという報告もあります。

    いくつかの課題は残されているものの、やはり環境に優しいエネルギーというメリットは非常に大きく、風力発電の需要は伸び続けています。

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    風力発電とIoT

    前述のように、風力発電は風の様子が日々変化するために、安定した発電量を確保することが難しいという特徴があります。また、風車が置かれた場所や環境により、ひと並びになった風車でも、それぞれの風車によって風の条件が異なるという特徴もあります。そのため、風車の稼働量や発電量において「正常値」を導き出すのが難しいという問題があります。

    「正常値」は、例えばある一定時間に発電される量などで確認されます。工場のように整った環境であれば、一定時間に風車が回る量も一定していますので、常に同じだけの発電量になります。そのため、それを「正常値」として設定してモニタリングすることで、発電量が正常値を外れた場合には、何か異常があるのではないかと調査することができます。しかし風力発電では「正常値」の設定が難しいため、モニタリング結果の判断が容易ではありません。

    この問題に対する解決策として期待されているのがIoTの活用です。風量や風速だけでなく、風力発電装置の内部にある増速機や発電機といった機械の振動や温度、発電される電気の量などの膨大なデータをIoTにより自動的に収集します。そして、収集されたデータを分析することにより、各風車の「正常値」を導き出すことが可能になります。

    また稼働状況や振動などの各種データから、修理やメンテナンスなどの必要性を事前に把握し、予期しない稼働停止を防ぐことも可能になります。

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    風力発電の今後

    今後、風力発電の導入をさらに進めていくために、現状の風力発電に残された課題を解決しようという活動も盛んに行われています。例えば、台風のような強い風のときに安全のために稼働できないという問題に対し、まったく新しい風車の開発も進められています。これまでの風力発電というとプロペラのような大きな風車でした。しかし回転式の円筒3本を垂直に立てて同心円状に配置した「垂直軸型マグナス風力発電機」ならば、強い風にも耐えることができるほか、どの方向からの風でも効率的に発電できるといったことに、注目が集まっています。

    進められているのは、新しい風車の開発だけではありません。IoTにより、風車を通じて発電に適した風が多く吹く地域などを割り出し、そこに風車を増設するといったように、より効率的な発電につなげることができると期待されています。

    まとめ

    環境への意識は今後もさらに高まっていくと見られ、それに伴い風力発電をはじめとした再生可能エネルギーへの需要も、より高まっていくでしょう。新しい発電の分野ではIoTの活用のような新しい仕組みの導入も積極的に行われていきます。発電方法だけでなく、それに付随するIoTといった周辺技術にも注目が集まります。

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