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    増える海外向け制御盤にどう対応すべきか~グローバル対応へ標準化のすすめ~

    日本はもちろん、世界中に広がっているハンバーガーやピザ等のファストフードチェーン。彼らが愛されている理由の一つが「世界のどこでも同じ味が楽しめること」。日本でも、アメリカでも、ヨーロッパでも、はたまたアジアやアフリカ、南米の国々でも、メニューや店舗の外観、仕組みはほとんど変わりません。店舗の骨子となる部分を「標準化」し、調達その他にかかるコストを下げ、オペレーションを効率化していることにより、世界中のどこでも展開でき、サプライチェーンなど強固かつ柔軟に対応できる仕組みになっています。

    さて、これを前提に、制御盤の設計・製造工程はどうでしょう。同じ社内であっても設計者や発注元によってやり方がバラバラで非効率になっていませんか?

    最近は、加工機械・産業機械メーカーの輸出が好調で海外向けの制御盤の需要が増え、国内/海外向けの違いによる業務の煩雑さも増しています。これの解決には「標準化」を行うことが効果的で、特に海外向けやグローバル対応では必須条件。今回はそんな「標準化の重要性」について紹介します。

    そもそも標準化とは一体なに?

    最近、いろんなところで「標準化」という言葉を聞きますが、そもそも「標準化」とは何でしょうか。経済産業省 基準認証政策課によると、「標準化とは一定のメンバーの合意を得て規格(技術仕様書)を制定し、当該規格を普及する行為」としています。つまりは、標準化とは、個人や各企業がバラバラにものを設計・製造するのではなく、同じ方向を向いている者同士、ある一定の規格・ルールを決めて共有し、普及させていこうとする活動。または、すでに標準化・規格化された製品を使ってものづくりをしようという意味も含まれます。

    そのメリットは、製品やサービスの質が保たれることと、差別化領域に注力することができるようになること。標準化を考え、それを自社に採用することで、すべてをイチから作る必要がなくなり、最低限の品質と効率が担保でき、生産性が劇的に上がります。加えて、競争や差別化、独自性を出すところに設計開発のリソースを割くことができるようになり、結果としてQCDを高めることができます。さらに、そうして作られた製品を採用する・使う側にとっても、品質が保証された製品を使えるという安心感を得ることができます。

    例えば、ねじは高度に標準化されたものの一つですが、プラスマイナスの溝、長さや径がほぼ世界標準で決まっています。これが決まっているからこそ、ねじメーカーは素材の配合や加工の仕方、価格といった製品を差別化する領域に集中でき、ユーザーはそうして出来た各社の特長ある製品から用途に合ったものを選べるという好サイクルが出来上がっています。もしねじが標準化されていなかったら、長さも径も溝の形もバラバラのねじが乱立し、ユーザーは使いにくくてたまりません。また、そうしたねじを使って固定した製品は、品質や安全面に不安が残ります。こうして考えてみると、標準化はメーカーにとってもユーザーにとってもメリットのある行為であることがわかると思います。

    個別対応やカスタムが当たり前の日本、忙しい日々

     では、制御盤業界、なかでも自社での制御盤の設計・製造工程を振り返ってみてといかがでしょうか。同じ会社で作っているものにも関わらず、設計者によって癖があったり、発注元の要望をそのままに個別対応しているケースは多いのではないでしょうか。これによって似たような設計であっても、イチから図面を書き起こしたり、それぞれの仕様にあった部材を探して調達したり、トータルで作業は煩雑になり、忙しさが増していきます。

    それに対し、自社で作る制御盤、使う機器のベースを社内規格化・ルール化し、それに則って作ることで、標準を使って効率化するところ、独自の工夫で差別化するところが明確になり、業務効率化とコスト低減が可能になります。

    機械メーカーの海外向け需要は活況、制御盤はどうする?

     さらに最近は、海外に輸出されて現地で使われる加工機械や設備に取り付けられる制御盤の需要が増えてきています。海外向けでは現地仕様に合わせる必要があり、現地の規格や調達のしやすさなどを考えた設計をしなければなりません。特に機器選定に関しては、これまでは使う場所も使う人も日本だったので日本メーカーの製品を使っていれば、何も問題ありませんでしたが、海外向けの場合はそうはいきません。どこの国や地域でも手に入りやすく、サポートも受けられやすい機器メーカーを使うことが求められます。

    これから標準化を進める、またはすでに出来上がっている社内標準を今の市場環境に合わせて改善したいという制御盤メーカーは、国内だけでなく、海外仕様の制御盤、輸出されて現地で使われることを前提に考えるのがポイントとなります。

    世界中の規格に準拠ーグローバルサポート可能なリタールの筐体

     制御盤の筐体に関しては、リタールは制御盤用キャビネットの専門メーカーとして世界中に拠点を設け、標準化したキャビネットをグローバルに展開しています。

    日本の制御盤業界では、筐体は顧客の仕様に合わせてイチから図面を起こして板金で作るケースが一般的に行われています。しかし海外向け制御盤では、その国に合わせた国際規格に準拠する必要があり、これまでのやり方ではそれに対応するために時間も手間もコストもかかってしまいます。

    それに対してリタールの製品は、もともとグローバルで使われることを前提に作られているので国際規格には準拠済み。一般的によく使われるサイズは標準品としてカタログ化しており、世界中から取り寄せて使うことができます。万が一何かあった場合でも、世界各国にサービス拠点とパートナー企業があり、保証期間外であっても現地での対応が可能となっています。


    海外向け制御盤に貢献するグローバルスタンダードの供給体制
    Youtuve_VC_Logistics

     








    協調領域では積極的に標準製品を採用しよう

     どんな製品にも、競争領域と協調領域があります。標準化のポイントは、付加価値を高め、競合他社と差別化する競争領域はオリジナルで作り、それ以外の協調領域はできる限り標準化を進め、カタログ標準品などを積極的に取り入れ、手間を省き、効率化を進めるのが効果的です。

    特に日本とは市場環境が違う海外向けの場合、オリジナルの部分を多くしすぎると、自社で海外サポートも受けなければならず、大変な手間とコストがかかります。世界は広く、顧客やユーザーは散らばっていて、日本とはまったく異なります。「郷にいれば郷に従え」の言葉の通り、グローバルにはグローバルに適したやり方があり、それに則るのが成功の近道になります。


    リタール株式会社について
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