制御盤設計において知っておくべき充電部と非充電部の感電保護

制御盤を設計する際、考慮しなくてはいけない安全策のひとつが感電保護です。制御盤には電気が流れるため、適切な処置を施していなければ感電するおそれがあります。そのため適切な感電保護が必要になりますが、その処置方法は直接接触と間接接触によって異なります。本稿では充電部と非充電部の説明をした後、感電保護の方法について解説していきます。

充電部と非充電部とは

充電部とは電源系統とつながっている部分を、非充電部とは電源系統と絶縁されている部分を指します。国際規格IEC60204-1では、充電部を「正常使用状態で電圧が印加される導体および導電性の部分」と定義しています。電気設備を作る際、身体の一部が充電部へ接触することを防ぐことで、感電から保護しなければいけません。なお、前出のとおり非充電部は電源系統と絶縁されているため通常触っても感電しません。しかし、故障などが原因で充電部となることがあります。

充電部での感電

充電部での感電には直接接触と間接接触の2種類があります。
直接接触とは充電部への接触を意味します。一方で、間接接触とは通常非充電部である場所が故障などが原因で充電部となった、その金属部に対する接触を意味します。電気機器を設計する際は直接接触、間接接触ともに適切な処置を施すことにより、人が感電することを防がなくてはいけません。その具体的処置方法がJIS B 9960-1「機械類の安全性 ―機械の電気装置― 第1部:一般要求事項」の第6章感電保護(IEC60204-1)に記載されています。

直接接触、間接接触に対する感電保護

前章でご紹介したJIS B 9960-1を参考に、直接接触と間接接触に対する感電保護の方法について解説します。

直接接触

直接接触に対する感電保護の方法としては、エンクロージャや絶縁物による保護があります。エンクロージャで保護をする場合、保護等級が少なくともIP2XまたはIPXXBに相当するものが必要であり、充電部はその内部に配置しなければなりません。さらにエンクロージャ上面に人が簡単に近づける場合、その上面の保護等級が少なくともIP4XまたはIPXXDが必要になります。そして一部の条件を満たさなければ、エンクロージャを開けることがあってはなりません。
一方で絶縁物による保護をする場合、破壊しなければ除去できないような強固な絶縁物で完全に覆う必要があります。絶縁物は通常の使用状態で破壊されることがあってはなりません。通常の使用環境で受ける機械的または化学的、電気的、熱的ストレスに耐えられなければならず、塗料やワニスなどの塗布、またはこれらに類する方法だけでは感電保護として不十分とされています。

間接接触

直接接触に対する保護は充電部との接触を防止することが目的です。しかし間接接触の目的はそれとは異なり、充電部と露出導電性部分との間で絶縁破壊が生じた場合の危険状態を防止することです。その感電保護の方法として、接触電圧の発生を防ぐか、または危険な接触電圧になる前に電源を自動遮断するか、少なくともどちらかひとつを採用しなくてはなりません。

なお、接触電圧の発生を防ぐ方法としては、クラスⅡ装置の使用、または同等の絶縁処置をすることが規定されています。また、電源を自動遮断する方法としては、露出導電性部分を過電流保護装置か漏電検知装置などへ接続しておき、そこが電位を持った場合は「地絡」という形で検知し、電源を遮断します。

感電保護は制御盤に限らず電気設計において考慮が必須

今回は制御盤に必要な感電保護として、電気装置に必要な一般的な感電保護をベースにご紹介しました。感電保護が必要なのは制御盤だけではありません。制御盤は低電圧設備に分類されますが、高圧設備や特高設備には機器との隔離距離も設定されています。感電保護に関する知識は、電気設備を扱う人の安全を守るためには欠かすことができないもの。しっかりと押さえておく必要があります。

参考:

規格の企画_海外向け制御盤製作に役立つIEC 61439とULの基礎知識
海外向け制御盤製作に役立つIEC 61439とUL規格の情報を分かり易くまとめました。規格の企画(Rittal).jpg

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