電磁誘導とは?コイルとの関係をわかりやすく解説【電磁誘導を利用した製品を紹介】

電磁誘導とは?コイルとの関係をわかりやすく解説【電磁誘導を利用した製品を紹介】

制御盤の故障や火災を避けるため、SCCRは必要な値であり、特に北米ではNECやNFPA79で表示が義務付けられているため、注意しなくてはいけません。電気設計者としてSCCRについて理解しておく必要があります。本稿ではSCCRの意味と必要性をご説明するとともに、算出方法について解説します。

私たちの生活は電気無しでは考えられません。電気や磁場は直接目で見ることはできませんが、日常生活でも数多くの製品で利用されています。そんな電気の基礎知識の1つに電磁誘導があります。この記事では実は私たちの生活に欠かせない電磁誘導について詳しく説明しています。

電磁誘導とは?

電磁誘導は磁束の変化によって導体に電位差(電圧)が発生する現象です。磁束の変化する量や速度で発生する電位差や電流(誘導電流)に法則があることが19世紀に発見されました。

文章だと固くなってしまいますが、針金で作った輪(コイル)に向かって磁石を前後させると、針金に電流が流れる現象です。小・中学校の理科の実験で目にされた方もいるのではないでしょうか。

電磁誘導で発生する電流の流れる向きや量には法則があり、発電や変圧、ノイズの除去などで利用されています。

レンツの法則

ドイツの物理学者レンツ(Heinrich Friedrich Emil Lenz[1804-1865])は1833年に電磁誘導について「レンツの法則」を発表しました。コイルに向かって磁石を近づけると電磁誘導により電流(誘導電流)が発生します。レンツの法則では、磁束の変化と電流の向きに法則があることを見つけ出しました。

誘導電流の向きはコイルを貫く磁束の変化に逆らう向きに発生します。

図1(電磁誘導)図2(電磁誘導)

ファラデーの法則

イギリスの物理学者ファラデー(Michael Faraday [1791-1867])は電磁誘導において、誘導起電力が回路を貫く磁束の時間あたりの変化量に比例することを発見しました。レンツの法則が電磁誘導における向きの法則であり、ファラデーの法則は量について説明した法則になります。

図3(電磁誘導)

ファラデーは電気・磁気において数多くの発見を成し遂げ、原始的な発電機・変圧器(相互誘導の実験機器)も制作しており、変圧器は今もイギリスの王立研究所に展示されています。

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電磁誘導とコイルで電気は発電されている

電磁誘導によってコイルに磁束の変化を加えると電流が流れる現象は、電気の発電に用いられています。コイルは発電以外にも様々な形で私たちの生活を支えています。

コイルとは?

コイルとは導体を芯に巻きつけた構造でできています。電磁誘導による発電利用、ICカードや非接触型充電器、電子機器のノイズの除去、トランスによる電圧の変化など、コイルの利用方法は多岐にわたります。

コイルは電磁誘導によって磁束の変化で電位差が発生しますが、反対に導体に電流を流すことで磁界を発生させて、磁界の力でモノを制御することもできます。この原理を利用したのが電磁石やモーターなどの電気でモノを動かす製品です。

工場で使われるソレノイドバルブやリレーも同様の仕組みで制御しています。

コイルについて詳しくはこちらで紹介しています。

発電機の仕組み

発電機はコイルに磁束の変化を加えて電磁誘導を用いて発電しています。普段何気なく使っている電気も発電所の大きな発電機で作られています。

発電所では3相交流の電気を発電し、電線を通して工場や各家庭へ電気を供給しているのです。電信柱や鉄柱を確認すると、3本でセットになっている配線を目にすることができます。この3相交流の発電は磁石の周りにコイルを120°間隔で3つ配置し、磁石を回転させることで3つのコイルがそれぞれ発電します。このときの磁石の回転速度で3相交流の周波数が決まります。

国内でも東日本(50Hz)と西日本(60Hz)で周波数が異なります。これは明治時代に日本がまだ電気を作れなかった頃、発電機を輸入した国が異なり、東日本にはドイツ式の50Hz、西日本はアメリカ式の60Hzの発電機を輸入し普及したためです。

電磁誘導が利用されている製品

自動改札で使うICカードやワイヤレス充電器なども電磁誘導が利用されています。それらの製品の仕組みを見ていきましょう。

ICカード

非接触型のICカードは電車の改札やレジでの支払いなどに使われます。リーダー部は磁界を発生させており、カードには平巻きのコイルとICチップが内蔵されています。そのためカードをリーダー部に近づけることでカード内部のコイルに電磁誘導が発生し、その電気を利用してICチップが起動してリーダー部と通信します。

RFID

RFIDは「Radio Frequency IDentification」の略称で、無線を用いた自動認識技術の一種です。大きな特徴は同時に複数の情報を読み取ることができ、タグがついた製品を一つひとつ読み取る必要がありません。ユニクロやGUなどのセルフレジで使われています。工場での利用も進んでおり、一括読み込みによる検品・棚卸しや製造ラインの工程管理などに使用され、工場の効率化に役立てられています。

ワイヤレス(非接触型)充電器

専用の台に置くだけで充電可能なスマートフォンがありますが、こちらも電磁誘導を利用しています。充電台とスマートフォンの双方に平巻きのコイルが内蔵されており、充電台で発生した磁場がスマートフォンのコイルに働きかけて充電されます。

また、電気自動車でもワイヤレス充電の技術は期待されており、スマートフォンと同様に停車するだけで電気を供給できる仕組みが開発されています。すでに工場のAGVAutomatic Guided Vehicle:無人配送車)では利用が進められており、ライン上に設けられた待機位置で充電できるので、生産性を落とすことなくラインを稼働することができます。

トランス(変圧器)

トランスは巻き数の異なる2つのコイルを組み合わせて電圧を変化させています。1次コイルに通電して磁場を発生させて、2次コイルはその磁場に作用されて電磁誘導により電位差が生じます。それぞれのコイルの巻き数を変えることで、磁場と電位差の量を調整しています。このようにコイル同士で電磁誘導を発生させることを相互誘導と呼びます。

電磁誘導とコイルが生活を支えている

電気や磁力は目に見えませんが、私たちの身の回りには電磁誘導を使った製品が溢れています。今、快適に暮らせているのは電気の無かった200年前の物理学者たちの功績の積み重ねによるものです。また、その後も技術者たちの努力によって導体の性能向上や電子機器の小型化のなど、技術は日々進歩しています。

これからの未来はSDGs(持続可能な開発目標)で採択された環境問題を解決するために、今まで以上に電気の活用が重要視されています。地球温暖化対策として、電気自動車の普及が急がれており、電磁誘導とコイルの技術を用いた大容量の非接触充電の活用が期待されます。

 

 


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