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    ロボットの種類と産業用ロボットの制御・プログラミング方法

    ロボットは、アニメや映画などのなかで子どものころから私たちの身近な存在でした。しかし、それはあくまでも空想の世界。現在では技術の進歩が進み、実際に私たちの生活をさまざまなロボットが支えています。ただしロボットと一言で言っても、動きや用途などによっていくつかの種類があります。本稿では、ロボットのなかでも主に「産業用ロボット」を中心にご紹介します。

    ロボットの種類

    ロボットは大きく分けると「産業用ロボット」と「サービスロボット」の2種類があります。

    産業用ロボット

    ひとつは、人と隔離された状態で稼働して産業の自動化で利用される「産業用ロボット」です。製造工場や食品工場など、主に工場で動作します。全ラインを産業用ロボットに任せて、従業員はロボットの運用だけをすることも可能です。人件費を削減できるだけでなく従業員の重労働を避けることにつながります。また製品の品質を均一化ができる利点もあります。

    基本的な構造は、多目的な用途に適応できるよう関節(ジョイント)とリンクの組み合わせになっています。人体でいうと、関節は、人の肘や肩といったまさに関節部分、リンクは関節と関節をつなぐ骨の部分にあたります。関節の数は「軸」という単位で表現され、軸数が多いほど複雑な動きが可能です。

    なお、産業用ロボットは、日本工業規格(JIS)において、「自動制御によるマニピュレーション機能または移動機能をもち、各種の作業をプログラムによって実行できる、産業に使用される機械」と定義されています。

    サービスロボット

    もうひとつが「サービスロボット」です。産業用ロボットと異なり、特に定義されておらず、産業用ロボット以外のロボットを総称してそう呼ぶのが一般的です。サービスロボットと呼ばれるものには、医療用や掃除用などさまざまなものがあります。人の近くでその作業の手助けをする協働ロボットと考えればわかりやすいかもしれません。

    産業用ロボットの種類

    産業用ロボットは、さらにいくつかの種類に分けられます。主なものをご紹介します。

    垂直多関節ロボット

    軸数は47軸で、6軸が一般的です。人間の腕に近い形で複雑な動きができます。汎用性が高く、現在最も多く使われている産業用ロボットです。

    水平多関節ロボット

    軸数は4軸あり、そのすべてが垂直に組み込まれている、シンプルな構造をしています。垂直多関節ロボットのような複雑な動きはできませんが、平面については正確な動作が可能。制御も簡単です。

    直交ロボット

    軸数は24軸。直線的な動作のみを行うユニットを組み合わせた非常にシンプルな構造をしており、可動範囲も直線に限られています。しかしシンプルで設計しやすく、比較的低コストでの導入が可能です。

    双腕ロボット

    軸数は24軸。その名のとおり2本の腕を持っており、それで人が行うような繊細で複雑な動きをします。既出の産業用ロボットより狭いスペースでの作業が可能です。

    パラレルリンクロボット

    軸数は46軸。複数のリンクを並列につなぎ、先端部1点の動きを制御するロボットです。可動範囲は狭くなりますが、非常に高速な動きができます。

    産業用ロボットの制御に欠かせないプログラミング方法

    産業用ロボットを制御するためには動かすためのプログラミングが必要になります。それをティーチングと言い、主に次のような方法があります。

    オフラインティーチング

    専用のソフトを使ってパソコンでプログラミングし、それをロボットに転送する方法で、現在多くの企業が採用しています。大まかな指示を入れ、現場では微調整をします。先に指示を入れることで問題点を事前に確認することができ、ロボットに無理な動きをさせて壊すような事態を防ぐことができます。また、抜けているプログラミングを事前に見つけることも可能です。

    オンラインティーチング

    ロボットがある場所で、動作を確認しながらプログラミングする方法です。ティーチングペンダントと呼ばれる機器が必要で、その操作方法を身につけなくてはいけません。また、事前のシミュレーションをしないため、ロボットの動きの大きさが合わなかったり想定外の部分に部品を当てることになったりするなど、事故のリスクが伴います。

    いまや私たちの生活に欠かすことができなくなったロボット

    現在使われているロボットの多くが工場や倉庫で使われる産業用ロボットであり、日常生活で直接ロボットを目にすることがない人も少なくないでしょう。しかし、私たちが普段使う製品やサービスの多くはロボットにより提供されており、サービスロボットも身近な存在となりつつあります。ロボットは、私たちの豊かな暮らしのために欠かすことができないものとなっています。

     

    リタールの製品は世界中のどんなところで使われているの?

    参考: