フィルターファンユニットの利便性

制御用、分配電用の盤やキャビネットでは、内部の温度的な環境を良好に保つことは、設備の安全な運用と機器を長く健全に使用する上で重要となります。最も手軽な熱対策は換気することですが、その際に気になるのが空気中の埃(ほこり)や汚れです。また開口部分からは、水などの液体の浸入が起こる場合もあり、それらに対する保護対策が必要になります。こうした問題を解決する手段のひとつとして、フィルターを備えたファンユニットについてご紹介します。

熱対策/放熱の必要性

ブレーカーやスイッチなどの電気機器に電気が流れると、内部の電気抵抗により熱が発生します。開放された場所で、単独であれば問題にならない程度の発熱かもしれません。しかし盤やキャビネットでは、閉じられた空間に多くの機器が密集しているため、温度上昇は無視できないどころか重大な影響を及ぼします。

盤やキャビネットの受動的な冷却

周囲の温度が通年で低く、内部の機器からの発熱も少なければ、盤表面からの放熱だけで十分な場合があります。盤内希望温度と最高周囲温度の温度差と、盤の材質および表面積に依存します。また、設置場所の周囲の空気がきれいな環境でしたら、通気口(ガラリ(グリル)やパンチングメタル)による自然換気も効果があります。空気が流れるには入口と出口が必要となりますので、二ヵ所以上の開口部を設けてやります。

ファンによる積極的な熱対策

盤表面からの放熱や自然換気だけでは不十分という場合は、積極的な熱対策が必要となります。比較的費用対効果の高いのは、外気を利用して能動的に換気することです。設置場所の周囲の空気がきれいな環境でしたら、自然対流にしたがって天井ファンなどにより上部から排熱するのが効率的でしょう。入口となる通気口を下部に設けるのをお忘れなく。

フィルターの必要性

しかしながら、盤やキャビネットの目的の一つが「中の機器を埃や水から守る」ことであるように、一般的には設置環境は良くありません。換気をする上でも、埃や水に対する対策が必要となり、両方に対応するフィルターが必要となります。

空気中の埃を取り除く

空気中の埃は、ふだんの生活ではあまり気になりません。しかし、一般住宅でも換気扇や網戸に埃が溜まるのはよくご存じのことだと思います。工場や倉庫では、ファンによって盤やキャビネットの中で空気の循環が続くと、非常に短期間で内部に埃が堆積してしまいます。

堆積した埃は、機器などの熱放射を妨げ排熱が行えなくなるほか、ショートなどの原因にもなります。フィルターによって、内部に空気を送り込む手前で埃を取り除きます。

水の浸入からの保護

通気口を通過するのは空気だけではありません。通気口を設けることで、水などの液体も盤やキャビネットに浸入できてしまいます。内部にあるのは電気系の機器ですから、水は大敵です。対策の度合い(保護等級)に応じて、ガラリ(グリル)構造のカバーや目の細かいフィルター、フードなどを併用し、水の浸入を防ぎます。水を考慮する場合、盤やキャビネットの側面(垂直面)への取り付けをお薦めします。天井取り付けのファンで保護等級IP54 を実現する製品もあります。

フィルターファンユニット

フィルターファンユニットとは、フィルター(ケース)とファンユニットが一体化したものです。ファンユニットを使用して換気を行うと同時に、フィルターによって埃と水から内部の保護を行うことができます。

フィルターファンユニットと対になるのが、フィルタールーバー(フィルター付きガラリ(グリル))です。

換気には二ヵ所以上の通気口が必要になることは説明しましたが、フィルターファンユニットは通常入口か出口のどちらかに取り付けます。もう一方にはフィルタールーバーを取り付け、保護等級を維持します。

フィルターの汚れ具合に応じて、フィルターの清掃・交換をして性能を維持します。そのため、フィルターへのアクセスが容易(ツールレスなど)なものが便利です。

なお、フィルターファンユニットは、ほとんどのメーカーで送風方向を変えられるようになっていますが、入口(吸い込み方向)に使用することをお薦めします。対流を考慮すると、下部への取り付けが良いでしょう。外気はフィルターファンユニット経由で盤内に吹き込まれ内部が正圧となることで、盤やキャビネット自体に微小な隙間などがあったとしても埃や水が入りません。上部にフィルタールーバーを出口として取り付けます。どうしても出口(吐き出し方向)をフィルターファンユニットにせざるを得ない場合は、保護等級が高く密閉性に優れた盤・キャビネットをお使いください。

【事例】Senvion社 風力タービンでのフィルターファン採用事例

 

まとめ

機器の熱対策としての能動的な換気と、内部機器の保護を両立させるために、フィルターファンユニットを上手に活用しましょう。

工具不要のフィルターファン詳細ページ(@engineer)

※リタールのフィルターファンは、ミスミからも購入が可能です。

参考:

リタール公式Webサイト

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