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    IoTとM2M それぞれの用語の違いとは

    最近ニュースでよく目にするようになったIoTとM2M。それぞれの用語について解説します。

    IoTとは何か

    IoTとはInternet of Things。つまり「モノのインターネット」という意味です。

    例えばペットを家に残して外出した飼い主が、室内のエアコンから送られてくる室温をスマートフォンで確認し、必要に応じてスマートフォンからエアコンのスイッチを入れたり、設定温度を変えたりできるようなシステムをIoT実現の例として挙げることができます。

    IoTの背景と現状

    2014年ごろからニュースで頻繁に目にするようになったIoT。その背景はどのようなものなのでしょうか。

    IoTの背景には2006年にドイツで始まったインダストリー4.0があります。インダストリー4.0とは第4次産業革命のこと。蒸気機関による機械化が進められた第1次産業革命、工業機械の電気化による大量生産が進められた第2次産業革命、エレクトロニクスによる自動化が進んだ第3次産業革命に続き、第4次産業革命を目指そうという動きです。この核となるのがインターネットとモノの融合、つまりIoTなのです。

    日本では2014年、IoTによる製造業の高度化を目指す動きがスタートし、2015年には大手製造業30社からなる一般社団法人インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ(IVI)が発足しました。IoTでは、各社のさまざまな機器がインターネットを介してつながります。規格の異なる機器をスムーズにつなぐため、現在は標準化の取り組みが行われているほか、新潟県柏崎市ではNTTドコモや日本GE、OKIなどの通信会社が協力し、地域の中小企業のデータ共有を目指しています。

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    IoTが使われている分野

    すでにさまざまな分野でIoTが導入されています。

    身近な事例としては、電車やバスなどの運行状況がリアルタイムにスマートフォンのようなデバイスから確認できるシステムが挙げられます。GPSによりバスの現在位置が地図上に表示されたり、道路の混雑状況からあと何分でバスが来るのかを教えてくれたりします。ほかには装着したリストバンドから心拍数や運動量が自動的にスマートフォンのようなデバイスに送信され、それがアプリといったものを通して分析される商品のような、医療分野での導入事例も分かりやすい例でしょう。また農業分野でも、気温や日照、降雨などのデータを自動的に収集し、そこから種まきや水やり、肥料のタイミングなどを自動的に決めて表示するようなシステムがすでに開発されています。各種プラントや製造工場におけるファクトリーオートメーションもその代表例といえます。

    実用化はされていないものの、ニュースで報じられることが多いのは自動車業界の自動運転システムです。道路の混雑状況や周囲の車との距離、障害物の有無などを車に搭載されたセンサーだけでなく、周辺の信号や道路交通情報通信システム(VICS)からインターネットを介して収集し、車を自動で操縦させるという構想がすでにできています。

    M2Mとは何か

    M2MとはMachine to Machine。つまり機械と機械の間での通信を意味します。

    機械が機械から情報を集めたり、機械が機械をコントロールするのです。例えば空調システムが人感センサーから室内の人の有無や人の数を、温度センサーから室温を自動的に収集し、最適な空調を自動で行うような事例がM2Mになります。

    M2Mの背景と現状

    M2Mはすでに多くの分野で導入され、私たちの生活を支えています。

    例えばアメダスは降雨や気温、風向きなどのデータが自動的に収集され、その内容をシステム上で監視できるようになっています。また緊急地震速報も、ある地点での揺れの発生や揺れの強さが自動的に観測され、一定の範囲に速報が発信されるシステムです。

    そのほかにはエレベーターや給水器、自動販売機が稼働状況のログを自動的に保存しており、その情報がメンテナンスの際に照会されるといったこともM2Mの代表的な事例になります。また高速道路や主要幹線道路の渋滞情報を教えてくれる道路交通情報通信システム(VICS)も、M2Mの活用事例です。

    M2Mが広がった背景には、モノの状態や周囲の状況を把握するためのセンシング技術が大きく進歩したことと、通信技術が大幅に向上したことが挙げられます。特に携帯電話の普及や無線LANの普及に見られるように、無線での通信技術の進歩には目覚ましいものがあり、そのような技術の発達がM2Mの広がりを加速させたということができるでしょう。

    海外向け制御盤製作に役立つ 『IEC 61439』 と 『UL』 の基礎知識

    IoTとM2Mの今後の関係性

    IoTもM2Mのどちらも、センシング技術と通信技術が発展のベースとなっていることや、モノとモノが自動で通信を行う部分は同じです。IoTはM2Mの技術にインターネットとのつながりが加わったものといってしまってもいいでしょう。そのためIoTの導入のためには、M2Mがすでに機能している必要があります。

    IoTはモノとインターネットの融合です。例えばある会社が製造した工作機械を例に考えてみると、全国、全世界の販売先で稼働している工作機械から、稼働状況や荷重などの動作状況が自動的にインターネット上に収集されるようになります。このように通常のデータベースでは扱えないほど巨大なデータをビッグデータといいます。こうして収集されたビッグデータは、例えば設計者が次のモデルの工作機械を設計しようとした際に現行のモデルの弱点を把握するために使われたり、市場のトレンドを読み解く手段として使われたりします。

    ドイツから始まり、世界的に広がっていくインダストリー4.0の動きを受け、IoTは今後ますます広く使われるようになっていくでしょう。それに伴い、IoTのベースとなるローカルでのM2Mも、さらに需要が高まることが予想されています。

    制御盤制作のための

     参考: