サーバールームなどにズラリと並んでいる冷蔵庫のような形の大きな箱。あの箱のことをサーバーラックといいます。
たくさんのサーバーを効率よく収納することができるように、サーバーラックやサーバーの寸法はIA規格やJIS規格によって定められています。一般的なサーバーはEIA規格サイズで1Uサーバーと呼ばれる横幅が19インチ、高さが1.75インチのサーバーです。薄い箱型のため、ピザボックスなどとも呼ばれています。2U、4Uなど、もっと厚みのあるサーバーの場合もあります。この19インチのサーバーを縦に積み重ねて収納するラックが19インチラックと呼ばれ、最も一般的に利用されています。
例えばSDカードならばどのメーカーのSDカードをどのメーカーのパソコンやカメラに挿入しても正常に動くように、サーバーとラックも規格により寸法が統一されているため、メーカーや仕様を問わずサーバーをラックに収納することができ、あのような整然とした光景になるのです。
ここではサーバーラックの規格や、規格ができた背景についてご紹介します
サーバーラックの規格と歴史
現在、サーバーラックとして一般的に利用されているのは19インチラックと呼ばれるラックです。
19インチラックの発祥は意外と古く、始まりはアメリカの工場で計測器類をまとめて収納するためのラックだったと言われています。規格によって寸法が統一されていることで、大量の機器が整然と収納でき、操作や確認がしやすくなります。19インチラックはその後、大量の機器を必要とする放送業界でも使用されるようになり、やがてIT業界でも使われるようになりました。
日本では1990年代後半頃から、データセンターや大手企業を中心に19インチラックがアメリカの規格を慣例的に引き継いで使われるようになりました。その後19インチラックはIT化の波と共に広がり、今では中小企業を含む多くのサーバーで使用されるようになりました。
19インチラックのEIA規格とJIS規格
19インチラックには米国電子工業会が定めたEIA規格に対応しているものと、日本工業規格であるJIS規格に対応しているものがあります。EIA規格のサーバーラックとJIS規格のサーバーラックでは、ユニットシャーシ(骨組み)の寸法に差があります。
EIA規格
EIAではユニットシャーシの寸法を国際電気標準会議IEC60297に準じて定めています。ユニットシャーシの横幅が482.6mm、高さは1U=1.75インチ(44.45mm)を15.875mm、15.875mm、12.7mmに分けたピッチになります。
また、サーバーラックの大きさは3U、5Uと表し、1Uサーバーが何個収納できるかを示しています。
JIS規格
ユニットシャーシの横幅が480mm、高さが50mmピッチになります。サーバーラックの大きさを3J、5Jと表し、この単位は50mmのピッチが何個あるかを示しています。こちらはメトリックラックとも呼ばれIEC60917にその寸法が定められています。EIA規格のものと異なり、寸法がメートル法基準になっていることが特長です。
中に搭載する機器に応じて、サーバーラックを選びましょう。
参考: