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    チャンネルベースの概要|種類や選定方法、モジュール式ベースシステムとの違いについて解説

    チャンネルベースは、制御盤やサーバーラックなどの重量物を安全に設置するために欠かせない存在です。チャンネルベースを選ぶ際には、サイズや強度はもちろん、屋外設置を加味したうえでの耐食性など、あらゆる角度から適切なものを決定する必要があります。
    本記事では、チャンネルベースの概要や選定方法、種類に加え、ベースシステムとの相違点についても解説します。

    チャンネルベースとは

    チャンネルベースとは、サーバーや配電盤などの重量物を設置・固定するための台座のことです。「設備架台」や「耐震架台」とも呼ばれ、地震などの非常時でも稼働が求められる機器類を、転倒から守る役割を果たしています。

    チャンネルベースはチャンネル材と呼ばれる溝形鋼に加工や溶接を施し、高強度に仕上げることで作られます。一般的には、水平出しの微調整に使用する「ライナープレート」をチャンネルベースの下に噛ませて設置を行いますが、中にはジャッキによるレベル調整が可能なものもあります。

    制御盤の架台については以下の記事もご参照ください。
    制御盤の架台に求められる機能とは―設計方法や強度計算について

    チャンネルベースの使用用途

    チャンネルベースには配電盤やキュービクル、サーバーラック、緊急用発電機といった用途があり、主に耐震性が求められる場面で使用されています。
    重量物の保護や固定はもちろんですが、地震などの緊急時に転倒や火災といった二次災害の発生を防ぐ目的でも使用されます。

    チャンネルベースと架台の違い

    チャンネルベースは設備機器を載せるという観点から見ると、架台の一種といえます。原材料に溝形鋼を使用しており、一般的な架台と比較するとサーバーや制御盤などの重量物を載せるために使用されます。
    より高い耐震性が求められることから、前述のように「耐震架台」とも呼ばれています。


    なお、制御盤の規格についてまとめた資料があります。
    海外向け制御盤製作に役立つIEC 61439とULの基礎知識について詳しく説明していますので、興味ある方はぜひ下記をご覧ください。

    海外向け制御盤製作に役立つ 『IEC 61439』 と 『UL』 の基礎知識

    チャンネルベースの選び方

    チャンネルベースの選定には以下のような性能が求められます。

    サイズ

    チャンネルベースの安定性や固定強度を実現するためには、設置物に対して十分な大きさが必要です。

    チャンネルベースの高さは、設置場所の床面がフリーアクセスフロアと呼ばれる二重床になっているかどうかによって大きく異なります。また、使用やメンテナンスの作業性を重視することはもちろん、屋外では設置する重量物に関係者以外が安易に触れることがないように、十分な高さを確保する目的も兼ねています。

    設置物の底面積や重心位置を考慮し、長期間負荷がかかることに対する耐久性を確認したうえで選定することが重要です。

    強度

    チャンネルベースは重量物を支える要となる部品のため、ひずみが生じないように高い強度を備えなくてはいけません。重量物からチャンネルベースにかかる荷重を計算したうえで、本数や補強を検討し、必要な強度を満たしているか判断します。

    また、強度だけではなく地震など急な衝撃に対する耐震性も重要です。

    安全性

    チャンネルベースの固定が不十分だと、設置した機器が落下したり、チャンネルベースそのものが転倒したりといった危険が生じてしまうため、確実な固定が求められます。

    人の手に触れる可能性のある箇所は、安全性を考慮し、バリや突起など怪我に繋がる要素がないかチェックすることも重要です。

    耐食性・耐候性

    チャンネルベースは屋外で使用されるケースもあるため、耐食性に優れた素材や、表面処理が必要です。また、屋内設置の際にも高温多湿や海水といった環境下においては、同様に耐食性が求められます。

    チャンネルベースの材料には、ステンレスやアルミニウムに加え、溶融亜鉛めっき鋼などが使用されます。

    また、耐食性以外に耐候性も重要です。長期間設置に使用されるチャンネルベースは、屋外での雨風や日差しによる劣化・変形に強い性質を備えている必要があります。

     

    チャンネルベースの種類

    チャンネルベースは構造や強度、付加機能によって主に3種類に分類されます。

    標準型

    一般的なチャンネルベースのことで、4つの脚を持つ小型の架台です。脚の下には、配線や配管の引き回しに十分なスペースがあるため、そのまま設置することが可能です。

    ダイス型

    一定の立法形状の集合体で、すべてに鋼材を細かく張り巡らせた高強度なチャンネルベースを指します。強度を優先するため、脚の下が完全に塞がれているタイプもあり、配線や配管には工夫が必要です。

    ジャッキアップ型

    通常のチャンネルベースの脚にジャッキが取り付けてあり、ライナープレートを使用することなく、高精度な水平調整が可能です。ライナープレートでは調整が難しい、精密な段差にも対応可能で、汎用性が高くあらゆる場面で活躍しています。

    チャンネルベースとモジュール式ベースシステムの違い

    「モジュール式ベースシステム」とは、設置物や施工場所にあわせて、モジュール化された部品を自在に組み合わせて構成する台座です。

    従来のチャンネルベースのように、1点ごとに行っていた切断や穴あけといった手間が省けるだけでなく、専用工具不要で作業現場においても柔軟な組立が可能です。また、これまではライナープレードを使用することでレベル調整を行っていましたが、ベースシステムでは設置・組み上げ後にレベル調整を行うこともできます。

    さらに、ベースシステムにはベース内のスペースをケーブル収納や、ほかのキャビネットへの配線などに有効活用することが可能なものがあり、省スペース化にも大きな効果が期待できます。

    このようにベースシステムは、チャンネルベースに比べて作業効率や柔軟性といった面での優位性が非常に高く、少量生産〜大量生産まであらゆる場面で活躍しています。


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    ベースは用途に応じて設置しよう

    本記事では、チャンネルベースの概要や適切な選定方法、種類について解説しました。
    チャンネルベースは耐震架台と呼ばれる架台の一種で「標準型」、「ダイス型」、「ジャッキアップ型」などいくつかの種類があり、用途や状況にあわせて適切な選定が必要です。
    また、近年ではベースシステムのように限られたスペースでも組み立てが可能なモジュール式ベースも広がりを見せており、注目を集めています。

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