
機器が動作するためには制御盤や配電盤、分電盤などさまざまな盤が必要です。そのなかでも操作するときに触れる盤、「操作盤」は比較的よく目にする機会があるでしょう。本稿では操作盤について、ほかの盤との違いや設計時に注意する点などをご紹介します。
操作盤とは機械を操作するための盤
はじめに操作盤はどのようなものか、またほかの盤とどのように違うのかをご紹介します。
操作盤とは?
操作盤とは機械を操作するためのボタンやレバーなど入力装置が集約された機器です。そのほかにもランプやメーター、液晶ディスプレーなどの表示装置が付いています。近年では入力装置と表示装置が一体化したタッチパネル式の操作盤も多くなってきています
制御盤・配電盤・分電盤との違い
操作盤以外によく耳にする盤として制御盤と配電盤、分電盤があります。
サポートアーム/ペンダントアームやスタンドの先、工作機械に付いていて、操作することを主目的とした盤は、操作盤と呼ばれます。
制御盤は機械設備を制御するための盤ですが、制御装置であるPLCやリレーのほかに、ボタンやレバーなど操作部(操作パネル)が付いていることもあります。そういった制御盤は、広い意味で操作盤とも言えます。
配電盤は文字どおり電気を配るための盤で、発電所から送られてきた電気を施設内の設備で使用できる電圧に変換し、各場所にある分電盤へ配電していくものです。
分電盤は名前どおり電気を分ける働きをし、一般家庭なら外の電線から引いてきた電気を各階や部屋に分配し、ビルや工場などであれば、配電盤から送られてきた電気を各フロアの照明設備や生産設備などに分配します。
日本で操作盤を設計するなら守るべきJIS C 0448
操作盤を設計する際、満たすべき規格としてJIS C 0448があります。この規格はIEC 60073を翻訳し、技術的な内容を変更することなく作成した日本工業規格です。人や資産、環境の安全確保のため、ランプやスクリーンなどの表示装置やボタンやハンドルなどの操作部について、一定の色や補助手段に関する一般的事項について規定しています。
操作盤を設計するときに注意しておく点
操作盤を設計する際に注意しなければならない点を簡潔にご紹介します。
操作性の確保
人間工学(エルゴノミクス)に基づき、操作盤を操作する作業者が効率的かつ正確に操作できる環境を整えることが重要です。作業者の疲労やストレスの軽減、作業ミスを減らして安全性を高めることは、操作盤本体のボタンやスイッチの配置、表示灯の色や大きさ、表示形式などを工夫することと同様に設計段階で配慮されなければなりません。
各機器における表示色の選定
ランプやボタンなどはJIS C 0448に基づいた表示色で設計する必要があります。
例えば異常停止や自動起動のような緊急性があり危険な動作を意味するものは「赤色」になります。非常停止スイッチも全世界共通で赤色が使われます。
警報停止のように注意を促すためのものは「黄色」、運転準備入りのような特に危険でもなく注意を促す必要がない動作では「緑色」になります。状態を表す方法としてランプでは、色のほかに「点灯」と「点滅」で表すこともできます。点滅はより強く注意を喚起している場合であり、即応が求められます。
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操作部の配置
スイッチやボタンなどの操作部の配置は、ある特定の一つを押した場合に隣のスイッチやボタンに手が触れない距離にしなくてはいけません。腕や肘が触れるような場所や身を乗り出した際に体で押してしまう可能性がある場所などに操作部を設ける場合は、操作部の周りに壁を作る、蓋つきにするなど、誤操作しないための工夫が必要です。先述の非常停止スイッチも通常蓋つきにします。
操作盤は、いかに誤操作しにくい設計になっているかが重要
操作盤設計時に注意する点についてご紹介しましたが、大切なのは「どれだけ操作しやすくするか」、「いかに誤操作をなくすか」です。特に「いかに誤操作をなくすか」は、一つの操作ミスが大きな事故や故障につながる可能性があるため、操作盤設計においては非常に重要な留意点です。
誤操作を防止した、より安全な操作盤の設置環境作りを検討する際には、ぜひリタールへお問い合わせください。
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参考: