分散型発電のメリットから見える今後の市場への広がり

今までの日本における電力システムでは、大型発電所から各所へ電力を供給する一方向型のエネルギー供給となっていました。しかし東日本大震災を機に一方向型の供給システムの脆弱性が露呈してしまい、新たなエネルギー供給の形が模索されるようになりました。そこで注目を集めているのが分散型発電です。分散型発電とはどのような仕組みなのでしょう。

分散型発電とは

分散型発電とは電力供給方法の一つで、比較的小規模な発電装置を消費地近くに分散して配備することで電力を供給する方法です。例えば一般家庭でも多く見られる太陽光発電がそうですし、ほかには充電して繰り返し使える蓄電池や、ガスから取り出した水素と酸素の化学反応により発電するエネファームなどがあります。ちなみに、エネファームで発電時に出た熱は給湯に利用することができます。

なお、従来の火力発電所や原子力発電所など大規模な発電所から送電線により各消費地に送られる方法は、集中型発電と呼ばれています。

分散型発電のメリットとデメリット

では、次に分散型発電のメリットとデメリットについて見ていきましょう。

メリット

分散型発電の最も大きなメリットは、送電ロスの削減です。集中型発電では発電施設が大規模となるため、どうしても郊外の、消費地から遠い場所に施設があります。そこから送電線により各消費地に運ばれるのですが、距離が長い分電気のロスも大きくなってしまいます。一方で分散型発電は消費地から近いところに発電装置を置くため、ロスを抑えることができます。

また、集中型発電では災害時に送電線が切れてしまい電気の供給が滞る場合がありますが、分散型発電ではそのリスクが低くなります。

さらに、送電線が引きにくい離島などでは、これまで電気の供給時のコスト面が問題となっていました。分散型発電では、その問題が解消されるのではないかと期待されています。

 

デメリット

分散型発電の大きなデメリットとしては導入時のコストの高さがあります。例えば上述のエネファームは補助金が受けられる場合はあるものの、正味の価格で200万円程度かかってきます。

また、太陽光発電や風力発電などでは天候の影響をもろに受けるなど、条件によって十分な電力を確保できないことも少なくありません。

 

分散型発電のさらなる市場規模の拡大

同じ分散型発電でも、消費する場所での発電や少し離れた場所での発電などさまざまな形態があります。消費地から近い場所にある分散型発電では、「熱」としての利用も効率的に行うことができます。

この「熱」利用はCO2排出量の削減につながる可能性があるため、産業分野でも積極的に導入されはじめました。例えば、東京スカイツリーの周辺では地中熱利用による地域冷暖房システムを導入。夜間電力を有効活用するための水蓄熱槽などとの併用で、エネルギー消費量とCO2排出量の両面で大きな削減に成功しています。

そのほか、新潟県村上市のバイオマス熱による売電と温室栽培の実施や、長崎県島原市の温泉熱を活用した市内温泉利用者への配湯など少しずつ活用事例は増えています。

以上のように、分散型発電は、さまざまな側面から市場の広がりが期待できます。

 

私たちの暮らしを守るうえでも期待される分散型発電

自然エネルギーの利用や機器の小型化による分散型発電技術の向上により、分散型発電の市場は確実に広がっています。電力供給のうえで成り立っている私たちの生活にとって、電力の供給が止まることは大きな問題です。先にご紹介した東日本大震災のような地震、そのほかにも台風や火山など日本で起こる災害は多く、すべてに対応できるシステムが求められています。そのようなシステム構築に、分散型発電は大きな役割を担っていくことになるはずです。

 

 参考:

 

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