ドイツ(ヨーロッパ)電気自動車事情―EV・PHV続々と

ドイツの電気自動車(EV)に関する動向を紹介します。ドイツの自動車メーカー各社が急速に電気自動車の開発を進めている背景についても、あわせて解説します。

ドイツの電気自動車(EV)政策

ドイツの自動車政策は、ゼロエミッションへ向けて大きく舵を切っています。この流れはドイツだけでなく、ヨーロッパ全体に広がりつつあり、今後の動向が注目されているのです。

欧州に広がるEV化の波

ヨーロッパでは自動車の電動化が急速に進められています。
2017年7月、フランスでは政府の発表により新たな自動車政策が発表され、世界の注目を集めました。ガソリンエンジン・ディーゼルエンジンを搭載した自動車について、2040年までに販売を終了させるというものです。

時期を同じくして、イギリス政府も2040年以降は、ガソリンエンジン・ディーゼルエンジン搭載車の販売を停止する計画を発表しました。

さらに電気自動車化の波は広がっています。
ノルウェーでは2025年までに、電気自動車(EV)またはプラグインハイブリッドカー(PHEV)のみの販売に限定する方針を打ち出しました。また、スウェーデンでは大手自動車メーカーのボルボ社が、EV専門のブランド化に向けた取り組みを発表しました。

こういった流れを後押しするかのように、欧州連合(EU)圏ではEV・PHEVの販売台数は伸びており、EVの普及が加速する兆候が見え始めています。

すべてはVWから始まった

そもそもこうした流れは、いつごろから始まったのでしょうか。

2015年、世界の自動車業界を震撼させた出来事がありました。ドイツのフォルクスワーゲン(VW)社で、ディーゼルエンジン車の排ガス測定において、不正が常態化していた事実が判明したのです。

排ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)の量を測定する際、有利な測定結果を出すよう違法なソフトウェアが搭載されていたことが公表されました。この事実を受け、各国政府主導のもと実際の走行中の排ガス測定が行われ、提出されていた試験値に対し40倍ものNOxが排出されていたことがわかりました。

翌2016年には、パリやマドリードなど、4都市へのディーゼル車乗り入れを禁止する条例が合意され、2025年までに施行される見通しです。

このような影響を受け、ヨーロッパでのディーゼルエンジン廃止の流れが一気に加速し、2017年の各国によるEV化政策発表へとつながっていったのです。

ドイツは2030年に

こうした流れの引き金となったVW社の本拠地、ドイツではどのような動きがあるのでしょうか。

ドイツ連邦議会は、2030年までに内燃機関の販売を禁止する決議案を採択しています。このなかには、EU圏でのエンジン車販売も禁止する内容も盛り込まれています。決議案はEUに対する実際の拘束力を持たないものの、EU内で強い発言力を持つドイツの決定は大きな影響をおよぼすとみられています。

また、同国のメルケル大統領が現地メディアの取材に対し、イギリス・フランスにならい2040年までにエンジン車を段階的に廃止する方針を示唆しました。これもEU圏の自動車業界に大きな波紋を呼びました。

このようにドイツでもゼロエミッションへの取り組みが具体化しつつあり、今後各自動車メーカーの主力はEVへ方向転換していくと考えられます。

EV政策に向けての各社の動き

実際に、すでにドイツの自動車メーカー各社は、急速にEVの開発を進めています。

先陣を切ったのは、エンジン車規制の引き金にもなったVW社です。2016年のパリ国際自動車ショーでEVを発表しました。また同社は、2025年までに30車種以上のEV新モデル投入を目指すと発表し、汚名返上とともにドイツのEVメーカーとして主導権を狙う方針です。

同年のパリ国際自動車ショーでは、ダイムラー社も同様に、2025年までに販売台数の15%以上をEVにする方針を明らかにしました。

また、2017年のフランクフルト国際自動車ショーでは、「ロードマップE」と呼ばれる戦略がVW社から発表されました。前年の発表を大きく上回る、EV・PHEVあわせて80車種の投入へと計画を変更しています。

また、ダイムラー社は2022年までに傘下のメルセデス・ベンツ(MB)全ラインナップにEVモデルを投入することを発表し、注目を集めました。

これに対抗するように、BMW社は2025年までにEV・PHVあわせて25車種を投入すると発表しています。

ドイツはEV先進国となるか

ドイツの自動車業界で加速する、EV化の流れをご紹介しました。このように、ドイツでは急速にEVへのシフトが進められています。ドイツはEV分野におけるEUの、そして世界のリーダーとなりえるのか、注目が集まります。

参考:

リタール公式Webサイト

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