再生可能エネルギー先進国ドイツと日本における導入状況の違い

近年日本でも再生可能エネルギーの導入が進みつつありますが、世界ではより進んでいる国があります。そのなかの一つが、総発電量に対する再生可能エネルギーによる電力の比率が50%近くになっているドイツ。ドイツと日本ではどれほどの差があるのでしょうか?


 

ドイツと日本。再生可能エネルギーの現状

ドイツのフラウンホーファー研究機構太陽エネルギー研究所によると、2019年の電源別発電量の総計に対する再生可能エネルギーの割合は合計46.0%。内訳は水力3.8%、バイオマス8.6%、風力24.6%、太陽光9.0%となっており、風力発電は全電源別でトップのシェアを占め、他はいずれも前年より割合を伸ばしています。

ドイツは豊富な設備容量を抱えており、発電した電気をオランダやスイス、オーストリアなどに輸出している大幅な輸出超過国としても知られています。再生可能エネルギーは発電が不安定になりやすい点が課題とされていますが、余剰分については「輸出」という手段で活用できるドイツは、再生可能エネルギーへの設備投資を推し進めやすい環境にあると言えます。

ドイツが再生可能エネルギー先進国とされるのには、そういった背景も無視できません。

一方日本は多くを天然ガスや石炭、石油の火力発電に頼っています。2030年にその大部分を太陽光と水力で賄う計画で、再生可能エネルギー比率20%超を目標としていますが、それを達成したとしてもドイツの現在の数字にすらはるかに及びません。また、ドイツは太陽光発電だけではなく、風力やバイオマスなどの比率も高く、再生可能エネルギーの何か一つに依存していないことも特徴です。極めてバランスの取れた電力供給を実現できている点も日本との大きな違いです。

再生可能エネルギーの固定価格売買制度(FIT)とは

FITとは、Feed-in Tariffの頭文字を取った略称で、Feed-inには「入れる、供給する」といった意味が、Tariffには「関税、電気などの公共料金の請求方式」といった意味があります。

太陽光、風力、水力、地熱やバイオマスといった再生可能エネルギーで発電した電気を、国が定める一定の価格で一定期間電力事業者が買い取ることを国が約束する制度です。対象者は、日本では「国が定める要件を満たす事業計画を策定し、その計画に基づいて新たに発電を始められる人」とされています。

ドイツと日本におけるFITの歴史

日本では、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(FIT法)に基づき、2012年7月1日からスタートしました。本制度の開始数年で再生可能エネルギーの導入量は大きく増えましたが、その一方で、賦課金など国民負担の増大、取り合えず申請は行ったものの未稼働のままでいるケースの増加、地域とのトラブルなどさまざまな課題が浮き彫りとなりました。そこで、これら課題を踏まえた制度の見直しが行われ、2017年4月に改正FIT法が施行されたのです。

一方ドイツでは、1991年に施行された電力供給法(StrEG)から、再生可能エネルギー買取制度は始まりました。StrEGのもとでは、再生可能エネルギーの普及に発生するコストの負担が、再生可能エネルギーを買い取る電力事業者に集中してしまう。電気料金に連動して買取価格が決まる形式だったため、小売り自由化による電力料金の低下に伴い採算が悪化したなどの問題がありました。

その後、2000年に再生可能エネルギー法(EEG)を施行。EEGでは再生可能エネルギーによる電力は、固定価格で20年間買い取られることとなり、安定性が確保されるようになりました。その後数回の改正を繰り返し、2004年施行の再生可能エネルギー法改正法(EEG2004)により、太陽光発電による電力の買取価格が約30%引き上げられ、太陽光発電の導入が急速に進む結果となりました。

日本の再生可能エネルギー導入はまだまだこれから

再生可能エネルギーに関連する研究・開発が少しずつ進み、日本でも導入しやすい環境が徐々に整ってきてはいますが、ドイツと比較するとまだまだこれからといったところです。ドイツをはじめ他国の政策を参考に、一層促進していくが期待されます。

リタール製品:風力発電採用事例
Senvion社:多様な気候帯の風力発電
Nordex社の風力タービン:安全な高所設置

 


参考:


 

規格の企画_海外向け制御盤製作に役立つIEC 61439とULの基礎知識

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