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    信号線の持つ重要な役割

    制御盤において重要な役割を持つ信号線。信号線の役割、信号線によって送られる信号とはどのようなものなのでしょうか。信号線の役割や種類、送受信される信号の種類と特徴についてご紹介します。

     

    信号線とは

    制御盤に収められる電気回路の中で、信号線はどのような役割で使われるものなのでしょうか。そもそも信号とは何を指すのかから考えてみましょう。
     

    信号の役割

    信号とは、情報を何らかの形に変換して送る方法や、送るものを言います。電気回路においては、情報を電気に変換したものが信号と呼ばれています。

    しかし、情報が電気に変換されただけでは、回路の中で役立つわけではありません。信号は、発生・送信・伝達・受信・処理の5工程を行うことによって初めて意味を持ちます。この5工程により、ある場所から別の場所へと情報を伝えるという役割を達成できるのです。

    伝達を行う方法にはいくつか種類がありますが、その一つが信号線と呼ばれる電線による伝達方法です。電気の通電と遮断、電流や電圧の大小によって信号を伝えます。これが信号線の持つ役割です。

    信号線と電源線

    電気回路で使われる配線は、目的によって大きく二つの種類に分けられます。それが、信号線と電源線です。信号線は情報を電気信号として伝達するという役割を持ちますが、電源線はエネルギーを送るのが目的です。

    一般的に信号は大きな電流を必要とせず、信号線にも大きな電流を流す場面はほとんどありません。しかし、電源はその先で接続される負荷により大きな電流が必要となることもあり、電源線は大きな電流を流す場合もあります。そのため、信号線には細い電線が使われる場合が多く、電源線には比較的太めの電線が使われます。

     

    信号線の種類

    では、電線としての信号線にはどのような種類があるでしょうか。実は、信号線と電源線は使われる目的によっての分類であり、使われる前の電線には違いはありません。通常の電線は信号線にも電源線にも使用することができます。

    ただし一部の電線には、信号を誘導障害によるノイズから守るための遮へい構造が施されているものもあります。そういった構造を持ち信号線としてよく使われるのは、CVVとCVVSです。このほか耐熱性を高めたCEVやCCV、高強度で直埋設も可能なCCVMAZV、電話回線に使用されるCPEVなどもあります。

    こういった被覆やシールド構造の違いのほか、ケーブルには芯数や導体の太さ、外径や色にもさまざまな設定があります。芯数は2芯のものから設定があり、多いもので30芯が1本のケーブルにまとまっているものもあります。導体の太さは1.25平方ミリメートル、2平方ミリメートル、3.5平方ミリメートル、5.5平方ミリメートルなど一般的な電線の導体の太さと同じ規格があり、この芯数と導体の太さによってケーブルの外径が決まります。30芯の導体3.5平方ミリメートルだと、ケーブル外径は30ミリほどになります。CVVであれば芯ごとにビニル絶縁体による被覆があり、それぞれに黒・白・赤・緑などの色分けがされている場合と、被覆は同色でもナンバリングが施されている場合とがあります。

    電圧信号と電流信号

    制御システムを作るとき、「電圧渡し」と「電流渡し」という言葉がよく使われます。これは、信号の基準を電圧とするか、電流とするかの方式を表す言葉です。

    「電圧渡し」、すなわち電圧値の変化を感知して信号として処理するのが電圧信号方式で、電流値の変化による「電流渡し」が電流信号方式です。一般的に、電圧信号では1~5V、電流信号には4~20mAが使われます。これは、最もノイズの影響を受けにくい電圧値または電流値が選ばれているためです。電圧渡しと電流渡しにはそれぞれ特性があり、使い分けによってメリットが得られる場合もあります。

    電圧信号は次のような特徴を持っています。

    • 信号線が長いと減衰する
    • 多数の負荷を接続可能
    • 信号の分岐が容易
    • 動作が理解しやすく回路設計が容易
    • テスターで測定しやすい

    電流信号の特徴は次の通りです。

    • 信号線が長くても減衰しない
    • ノイズの影響を受けにくい
    • 多くの負荷は接続できない
    • テスターでの測定が難しい
    • 高周波に向いている

    こういった特徴から、近い距離での信号のやり取りをする盤内配線には電圧信号が使われ、盤外への長距離の場合には電流信号が使われることが多いのです。

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    制御盤配線の主役とも言える信号線

    信号線の役割、信号線に使われる電線の特徴、信号線によって伝える信号の種類についてご紹介しました。

    制御盤内の配線は、その目的によって電源線と信号線に分けられます。このとき、制御が複雑になればなるほど、制御盤内の配線は信号線が多くを占めるようになるでしょう。「信号を受け取り、それによって次の作動を決定する」という制御回路の基本を考えると、信号線は制御盤の主役ということもできる重要な配線なのです。

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