サーバーからの距離と通信の負荷

パソコンやスマートフォン、タブレットなどからインターネットに接続する場合、端末とサーバーとの間をつなぐ回線には負荷がかかります。負荷を決める要因は、通信するデータの容量や端末のOSなどさまざまですが、そのひとつが、サーバーから端末までの距離です。なぜサーバーからの距離が遠くなると負荷が大きくなるのか、その原因と対策についてみていきましょう。

通信速度と距離の関係

インターネット通信の仕組み

例えばYouTubeなどの動画配信サイトから、動画を視聴する場合を考えてみましょう。インターネット上にある動画のデータは、動画配信サイトが所有するサーバーなどに保管されています。動画を視聴するユーザーは、このサーバーにアクセスし、データを自分の端末へ送信してもらうことで視聴できる状態になります。このとき、全データが一度に送り込まれるわけではありません。データは、端末や通信機器の設定に沿った容量ごとに小分けされて送信されるのです。小分けにされたひとかたまりのデータが端末に届くと、端末から「受け取った」という信号がサーバーに向けて発信されます。この信号を受信するとサーバーは次のデータを送り出すのです。データ容量が大きくなればなるほど、このやりとりの回数は増えていきます。

距離が離れると通信速度が下がる理由

例えば北海道から沖縄に電話をかけたとしても、通信によるタイムラグはまったく感じず、まるで面と向かって会話をしているかのように感じられるでしょう。このように、インターネット通信に使われる光や電波、電気信号が非常に高速で伝わることは、よく知られています。それなのになぜ、距離が遠くなると通信速度が下がるのでしょうか。答えは前項で述べた「小分けにする」という部分にあります。動画などのようにデータ容量の大きいものであればあるほど、サーバーと端末との間で、データの送信、受信、受け取り信号の返信、信号受信、次のデータを送信、という処理が何度も繰り返されるようになります。すると、1回や2回のやり取りでは気にならない程度のタイムラグが積み重なっていきます。通信距離が遠い場合はそれが顕著になり、やがて「遅い」と認識できるようになってくるのです。つまり「通信に負荷がかかっている」という状態になってしまいます。

IoTなどによる通信量の増加

近年、スマートフォンの普及やIoTの広がりにより、データ通信量が爆発的に増加しています。特にIoTに関しては、工作機械などに取り付けられたセンサーとインターネットがつながり、かつては収集しきれなかった大量のデータがやり取りされるようになりました。その量は、現状のクラウドなどで使われている規模をはるかに超え、今後さらに増えていくと考えられています。つまり距離による通信負荷がより顕著になっていくことになるのです。また、インターネットに接続するモノや機械の数も増えていきますから、サーバーが混雑するなどの問題も起こりかねません。

通信負荷軽減のために

今後予測されているデータ通信量増大に伴う通信負荷。解決の手段はないのでしょうか?

手段のひとつに考えられているのが、エッジコンピューティングです。エッジコンピューティングとは、ユーザーの近くに設置されたサーバー(エッジサーバー)を介してデータのやりとりをする方法。端末とサーバーとの距離が短縮するため、距離による通信負荷が軽減されることが期待されています。またサーバーも分散されますので、たくさんのアクセスが集中してサーバーが混雑するような状況も防ぐことができます。今後、IoTの発展に伴い、さらに大量のデータが頻繁にやりとりされることが予測されます。距離による通信負荷を軽減するためにも、エッジコンピューティングなどのシステム導入の検討が必要になってくるでしょう。

参考:

関連記事