フリードヘルム・ロー・グループ季刊誌


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    【採用事例】ICE(インターシティ・エクスプレス)

    列車トンネル内


    屋外用途に理想的なエンクロージャー

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    ハーモスシステム社は、ICE(インターシティ・エクスプレス)列車トンネル内でAXプラスチックボックスを採用しました。
    提出が義務付けられているすべての証明書が付属しているため、再認証の手間がなく保護等級や規格認証に準拠した、屋外用途に理想的なエンクロージャーです。

    ハーモスシステム社 HERMOS Systems GmbH

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    緊急時に照らし続けるトンネル照明

     

    ICE(インターシティ・エクスプレス)に乗って、時速300キロでトンネルに突入するのは日常的なことですが、列車は密閉されているとはいえ、圧力波を感じます。トンネルの安全技術は、非常用照明に電力を供給する機器と同様に、大きなストレスに耐える必要があります。停電が発生した場合、この装置により非常照明が確実に作動し、救助隊や脱出する乗客が道を見つけられるようにします。そのため、使用されるエンクロージャーへの要求は高くなります。ハーモスシステムズのような安全技術メーカーは、この信頼性を証明する適切な証明書を提供できなければなりません。
     

     

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    300 km/h 

    以上の速度で
    トンネル内を走るICE列車
     ‐20 + 40° 
    の温度で高湿な
    トンネルが一般的
    巨大な
    列車トンネル突入時の圧力波
    と出口の空気抵抗

     

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    乗客が疾走する列車の車窓から絵に描いたような風景を眺めていると、突然すべてが真っ暗になりました。そこはトンネルでしたが、目が慣れると思うほど暗くありません。
    ドイツ企業のハーモスシステムズ社(HERMOS Systems GmbH.)は、ドイツ鉄道網のトンネル内の安全照明の多くを担っています。「現在、ドイツ鉄道のトンネルに約25,000個のエンクロージャーを設置しています。作業の規模を考慮し、2台1組で非常用照明電源ユニットを構成します。バッテリー式の非常用照明システムは、長さ16メートル毎でトンネル内に設置されています。
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    各電源ユニットは2つのセクションに接続されており、停電時には32メートルのトンネルを照らし、脱出する乗客や救助隊が道を見つけられるようにします。1つのボックスにはバッテリーが収納され、もう1つのボックスには電源ユニットを常時監視・制御する電子機器が収納されています。最大6台の非常灯電源ユニットが、トンネルの配電を介してマスターケーブルに接続されます。ハーモスは、リタールのAXエンクロージャーの標準品を使用してこれらの配電機器とその他の機器を収納しています。「エンクロージャーは、2つの重要な要件を満たす必要があります」とハーモス代表兼プロジェクト・リーダーのロバート・ベルント氏が説明します。
    「第一に、堅牢であり、顧客の定める規定に準拠していることが証明されていなければなりません。新しいエンクロージャー・モデルなど製品に変更が加えられると、ドイツ連邦鉄道局による労力と費用のかかる再認証プロセスが必要になるからです」と続けます。

     

    トンネルには高い要求がつきもの
    特に高速鉄道のトンネルにエンクロージャーを設置する場合、その要求はより高くなります。場合によっては、ICEが時速300キロ以上のスピードで通過するため、列車の前方には巨大な圧力波と出口の空気抵抗が発生します。トンネル内で列車同士がすれ違えば、圧力条件はさらに厳しくなります。「奇妙に聞こえるかもしれませんが、トンネル区間の95%
    が地下にあります」とベルント氏は説明します。「トンネルのポータルエリアでは、私たちが使用するエンクロージャーは屋外に設置されているため、摂氏 -20 ~ +40 度の天候や温度にさらされています。トンネル内の温度はほぼ一定ですが、非常に湿気の多い環境です」と彼は付け加えます。

    しかし、ハーモス社にとって重要なのは、長年にわたってこのような環境条件に耐えるエンクロージャーの性能だけでなく、 関連規格への適合を保証する証明書も必要です。場合によって認証プロセスは非常に広範囲に及び、例えば、自動車工学で使用されるような
    風洞試験で、吸引力と耐圧力がテストされます。
    リタールはこれらの試験を自社製品で実施し、必要な証明書を提供しています。

    AXプラスチックボックス
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    「堅牢な製品、包括的な認証、すぐれた配送の信頼性は、当社の成功を確実なものにする重要な要素でもあります」。
    ロバート・ベルント
    ハーモス代表兼プロジェクトリーダー
    長年に渡る可用性
    「私たちは1999年からリタールのプラスチック製エンクロージャーを採用しています。なぜなら、リタールのプラスチック製エンクロージャーには、私たちの製品の認可を得るために、連邦鉄道庁に提出することが義務付けられているすべての証明書が付属しているからです。リタールが提供する証明書を転送するだけで、エンクロージャーが規格に規定された性能であることを証明できるのです。
     長期的な可用性も確保されています。プラスチック製エンクロージャーAXシリーズは、ハーモス社が約25年間に認証を取得する必要があった3世代目のエンクロージャーです。「製品に変更があれば、連邦鉄道局による再認証が必要になります。手間のかかる書類のチェックに加え、1年間の実地試験も行われます。部品の変更に少なくとも1年の猶予がなければ、顧客に製品を供給できない期間が長くなってしまいます」とベルント氏は説明します。
    リタールの新しいプラスチック製エンクロージャーは、屋外用途に理想的なソリューションを提供します。ハロゲンフリー素材を使用しているため、火災時に腐食性ガスや有毒ガスを発生しません。また、耐燃性 UL 94-V0 規格に適合した防火性能、UL F1 屋外等級、産業用エンクロージャーのUL承認、密閉された空間の保護等級 P66/NEMA 4X、クラスIIの保護絶縁を誇ります。
    外部ストレスに強いシリーズ
    AXシリーズは、堅牢な設計と安定した構造により、過酷な環境や湿気の多い条件、圧力および吸引力に強い製品です。エンクロージャー内の繊細な電子回路も、飛散物から理想的に保護されます。エンクロージャー内の多数の取り付けボスは、25 mm ピッチパターンのシステムセクションやレールによる、独自の内部実装を実現可能にします。AX シリーズの初期の使用感は良好でした。
    「AXプラスチックボックスは、以前の製品よりもさらに頑丈になっています。例えば、ロックとヒンジはプラスチック製ではなく金属製で、より高級感があります。圧力と吸引力が高いため、当初はロックが2つを備わった特別なエンクロージャーをテストしましたが、ロックが1つの標準のエンクロージャーでも、これらのストレスに効果的に耐えられることがわかりました。

    当然、経済的で供給プロセスも簡素化されます」と彼は強調します。さらに、AXシリーズの取り付けポイントは、旧型に比べてさらに強固にりました。8箇所のネジ止めではなく4箇所のネジ止めで、どのような応力に対してもエンクロージャーをしっかりと固定できるようになりました。「半分の数のネジを締めるだけで済むため、取り付け時間が大幅に短縮されます」とベルント氏は言います。
    重要な調達リードタイム
    施工業者が製品をトンネルに設置できる期間は非常に短い工期となるため、ハーモス社がサプライヤーを選定する際、納品能力も同様に重要な要素となります。「トンネル建設は、厳密なスケジュール管理が行われます。24時間体制で作業することも多く、設置のための時間は数日と限られます。数百台のエンクロージャーをトンネルに設置する場合は、非常に困難です。私たちはリードタイムを考慮し、かなり先の計画を立てた上で、リタールの製品を8週間以内に確実に受け取ります。納期の信頼性は非常に重要です」と説明します。「1999年からリタールのプラスチック製エンクロージャーを使用していますが、有効的に活用しています。なぜなら、不具合を修正するために高速トンネルに飛び込み "大急ぎの作業 "はできないからです。使用するコンポーネントに完全に依存できる必要があります。 堅牢な製品、包括的な認証、優れた配送の信頼性も、当社の成功を確実にする重要な要素です」と、彼は締めくくります。

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    【採用事例】列車トンネル|AXプラスチックボックス