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配電盤と分電盤の違い(役割・構造)

作成者: admin|Sep 9, 2019 3:58:00 AM

電気を安全で快適に使用するための設備である、配電盤と分電盤。名前が少し似ているため混同してしまいそうですが、まったく別のものです。ここでは配電盤と分電盤の違いについて、それぞれの持つ役割や、使われる場面などを紹介しながら解説していきます。

配電盤とは

配電盤とは主にビルや工場などの大きな施設で電力会社から送られてくる高圧の電気を受けるための設備です。

配電盤の役割

電気には、より高い電圧で送電した方が送電によるロスが少なくなるという性質があります。そのため、大きなビルや商業施設、工場のような多くの電力が必要になる場所では、6,600kVから77,000kVという高い電圧の電気を直接受けるようになっています。そのような高圧の電気を受けるために必要なのが配電盤です。配電盤では、発電所から送られてきた高い電圧の電気を施設内の設備で使用できる電圧に変換し、幹線を通して各場所にある分電盤へと分配しています。

高い電圧を受けるための設備ですので、配電盤にはまず安全性が求められます。人や動物、異物などの接触から配線を守るほか、短絡や漏電、地震や火災などの事故が発生した際にも、設備への影響を最小限に抑えつつ安全を守ることが求められます。またビルや工場などの施設内に収容される機器には、通信機器や生産設備などのように安定した稼働が求められるものも少なくありません。そのため安定して電力を供給できるよう、高い信頼性も求められています。

配電盤の構造

配電盤の構造には大きく分けて2つの種類があります。必要な機器がすべてボックスの中に収められたキュービクル式(閉鎖形)と、機器を鉄製のフレームに取り付ける開放型です。かつては開放形が主流でしたが、キュービクル式の方が安全性が高いことや、工場で組み立てたうえで据え付けができ、製品の信頼性が高いことなどから、近年ではキュービクル式が主流になっています。

配電盤には、電気の監視や制御に必要なメーターといった機器や、電気回路の故障や異常が起きたときに流れる電流を遮断する遮断器などの機器が収められています。

分電盤とは

分電盤とは、各家庭やビルのフロアなどのコンセントや照明、機械などに電気を分配するための装置です。ビルや工場などでは、配電盤で受け電圧を変えられた電気が各フロアにある分電盤へと送られ、そこからさらにさまざまな設備へと送られていきます。

分電盤の役割

分電盤はその名前の通り、電気を分ける役割を持っている装置です。一般家庭であれば、外の電線から引き込んできた電気を各階や部屋ごとに分配しています。ビルや商業施設、工場などであれば、配電盤から幹線を通して送られてきた電気をフロアのコンセントや照明設備、生産設備などに分配しています。

また分電盤は照明のスイッチの役割や、電気を安全に使用するための安全装置の役割も持っている場合があります。過度な電流が流れた際、自動的に電気を遮断するブレーカーや、漏電を感知した際にその周辺の電気を止める漏電遮断器などは、分電盤の中に収められている代表的な機器です。

分電盤の構造

分電盤は樹脂や金属のキャビネットの中に必要な機器が収納されているのが一般的です。壁面に据え付けたり、埋め込まれたりするケースがほとんどです。

分電盤の内部では、外の電線からの引き込み線や配電盤からの幹線を電気が入ってくる一次側に配置し、その先の二次側に分岐開閉器が配置されています。前述のブレーカーや漏電遮断器、照明のスイッチなどのスイッチユニットは、基本的に分岐開閉器の次に配置されています。

 

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