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水素をエネルギーとする自動車(燃料電池車)-電気自動車との違いも

作成者: admin|Dec 7, 2020 9:55:00 AM

地球温暖化が問題とされる昨今、二酸化炭素排出量が少なく環境に優しい自動車としてさまざまなエコカーが開発されています。今回はそんなエコカーのなかでも水素をエネルギーとする「燃料電池車」について、電気自動車との違いを絡めながら紹介していきます。

なぜ水素エネルギーが注目されているのか?

水素エネルギーはなぜ、注目されているのでしょうか?

その理由は、水素が化石燃料や下水汚泥、廃プラスチックなど、さまざまな資源から製造することができるためです。製造した水素を酸素と結び付けることで発電させ、燃焼させることで熱エネルギーを作ることができます。二酸化炭素を出さず、地球環境にもダメージを与えません。

そんな水素エネルギーは、水素を燃料に電気化学反応を起こすことで発電する「燃料電池」として、家庭用(エネファーム)にも産業用にも使われています。また、フォークリフトやバス、そして水素自動車と、自動車分野でも多く活用されています。

 

燃料電池車と電気自動車の違い

では、燃料電池車と、エコカーのなかでも広く知られている電気自動車の違いを見ていきましょう。

燃料電池車と電気自動車の大きな違いはエネルギー源です。

燃料電池車のエネルギー源は水素で、水素の力で発電してモーターを動かします。エネルギー源となる水素の補給法には、水素ステーションの水素補給源から直接水素を充填する水素直接貯蔵方式と、水素以外の燃料を補給して車のなかで水素を製造する炭化水素系液体燃料改質方式の、2つの方法があります。

一方、電気自動車のエネルギー源は電気です。自宅に充電設備を設置することも可能ですが、一般的には公共の充電インフラで充電します。

燃料電池車も電気自動車もモーターで動くため、騒音が抑えられます。また二酸化炭素が排出されないため、環境面への配慮から、各メーカーが開発を進めています。しかし燃料電池車は水素の貯蓄や運搬に問題があり、電気自動車は蓄電できるインフラ設備が不十分であるなど、どちらも解決すべき課題が残っています。

 

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燃料電池車と電気自動車の将来性

燃料電池車は有害な排出ガスが出ない、充電が不要で1度水素補給するだけで従来のガソリン車並みに走るなどさまざまなメリットがあり、究極のエコカーと言われることがあります。しかし、燃料とする水素のエネルギーのコストが高い、水素ステーションが増えないなど重大なデメリットが存在します。そのため、燃料電池車産業から撤退し、電気自動車のみに注力するようになったメーカーも多く見られました。

そのような状況下で、トヨタとホンダは燃料電池車の研究・開発を続けており、現在トヨタはMIRAIを、ホンダはCLARITY FUEL CELLを製造・販売しています。

自動車本体は高価格ではありますが、CEV補助金(一定の条件をクリアしたクリーンエネルギー自動車の購入者に対し交付される補助金)の対象になっています。また、トヨタでは独自で購入4年後に半額で買い取る制度を導入しています。

一方、電気自動車はどうでしょうか。

電気自動車は、自動車本体の価格もランニングコストも、燃料電池車に比べて抑えることが可能でしょう。しかし、充電にはガソリンや水素の補給より多くの時間が必要です。また、電気を安定供給するためには太陽光エネルギーのような再生可能エネルギーだけでは足りません。火力発電や原子力発電による供給も必要となります。

現状では各メーカーにおいて、燃料電池車より電気自動車の開発に力が注がれている傾向があります。しかし、電気自動車より燃料電池車の方が優れている点も少なくなく、引き続き燃料電池車の研究・開発も進められると考えられます。

 

将来「燃料電池車」がスタンダードな自家用車になっている可能性も

自動車は私たちの生活に必要不可欠な道具ですが、現在一般的に使われているガソリン車は環境への影響の大きさに問題があります。そのため、燃料電池車や電気自動車などエコカーの開発が急がれています。解決すべき課題はまだまだありますが、その課題も一つひとつクリアされていくのではないでしょうか。燃料電池車も、将来的にはスタンダードな自家用車として、私たちの生活になくてはならない存在になっているかもしれません。
参考:

規格の企画_海外向け制御盤製作に役立つIEC 61439とULの基礎知識
海外向け制御盤製作に役立つIEC 61439とUL規格の情報を分かり易くまとめました。