電気設計をしていると、仕様書や、配線や機器の配置を記載した配線図など、さまざまな場面で電気シンボルを目にする機会があるでしょう。電気シンボルの数は非常に多いうえ、日々業務に追われて時間がなく、本格的に勉強をしていない人もいるのではないでしょうか。しかし電気設計に携わるなら、電気シンボルの知識は欠かすことができません。そもそも電気シンボルとは何か、なぜその知識が必要なのか、上手に勉強するにはどうすればいいのかを紹介します。
電気シンボルとは、電気回路図においてコイルやコンデンサ、スイッチなどの電気部品を模式的に表すために使う記号を指します。日本では、電気シンボルの規格として「JIS C0301 電気用図記号」が長い間使われていました。しかし、この規格は「貿易の技術的障害に関する協定(不要な貿易障害を避けるため国際規格に沿って国内規格を策定することを定めた協定)」を順守していませんでした。
そこで、電気シンボルの国際規格であるIEC60617第2版と同一規格として、新たに「JIS C0617 電気用図記号」が1997年と1999年の2年に分けて制定されたのです。一般的にJIS C0301は旧JIS、JIS C0617は新JISと呼ばれています。
電気設計をするうえで電気シンボルの知識は欠かすことができませんが、電気シンボルの知識が必要になるのはそのためだけではありません。
仕事をしていくうえで何か資格を取ろうと考える人は多いでしょう。スキルアップを目的に、電気工事士や電気主任技術者、電気工事施工管理技士など電気関係の資格の取得を目指す場合にも、電気シンボルの知識は必須です。
電気シンボルを勉強する方法について紹介します。
電気シンボルが制定されているJISそのものを見ることは、勉強の基本です。電気シンボルとなっている電気部品にはどのようなものがあるのか、どのような形で表されているのかを知っておくべきでしょう。いつでも確認できるよう図書を購入するのが一番ですが、図書館を利用する、インターネット上で閲覧するなども可能です。
JISだけでは内容はわかりにくいため、深く理解をするのは容易ではありません。JISの内容をわかりやすく解説した電気関連の参考書や勉強用キットも多く販売されているので、1冊は手元に置いておきたいものです。
インターネット上にも多くの情報があふれています。先述のJISに加え、電気シンボルやその他電気関係の知識についてさまざまな形で紹介されています。初心者にもわかりやすく書かれているサイトもあり、サイト運営元が信頼できそうなところであれば、ぜひ利用するといいでしょう。ただし、なかには信頼性に欠ける情報も混在しています。参考書など信頼できる媒体との併用をおすすめします。
電気シンボルの勉強方法について紹介しました。知識として身につけるにはまとまった時間が必要ですが、日々の業務の合い間に時間を確保することが困難かもしれません。最終的に知識の習得を目指すのはもちろんですが、まずはどこに必要な情報があるのかを整理整頓しておきましょう。例えば本、またはパソコンのデータ上に情報をまとめておけば、必要なタイミングですぐに取り出すことができます。見る習慣をつけることで頭にも残っていくはずです。
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参考:
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