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ハノーバーメッセ 2026 | 来る AI 時代を支えるデータセンターインフラ

作成者: admin|May 7, 2026 7:23:43 AM

世界最大級の産業展示会であるハノーバーメッセは、製造業から IT、エネルギーまでを含めた OT × IT 融合の最前線を示す場として世界的に注目されています。

ハノーバーメッセ 2026 において、リタールは EPLAN との連携による設計・製造プロセスの自動化をテーマに、「Automation Do It」を掲げて出展しました。

GPU や AI  サーバーの高密度化が進む中、データセンター設計では電力容量の確保、効率的な冷却方式、将来的な拡張性が大きな課題となっています。リタールは、こうした現実的な課題に対し、長年培ってきた冷却技術と配電のノウハウを基盤とするデータセンター / ITインフラ向けソリューションを提案しました。

会期中にはフリードリヒ・メルツ首相がリタールおよび EPLAN のブースを訪問し、自動化コンセプトとデータセンター分野への取り組みに強い関心を示しました。


 もくじ
  AI 時代に不可欠な Direct Liquid Cooling(DLC)
   Rear Door LCP CW:高効率・省スペースなリアドア冷却 
   DC 給電を見据えた電源・配電ソリューション 
   セキュリティを重視したマイクロ/ナノデータセンター
   まとめ:AI を支えるインフラ整備は次のフェーズへ 

AI 時代に不可欠な Direct Liquid Cooling(DLC)

今回の展示で最も注目を集めていたのが、Direct Liquid Cooling(DLC)関連ソリューションです。

会場では分解展示された CCU(Coolant Circulation Unit)を確認することができ、内部にはポンプが 3 基搭載されています。そのうち 1 基は冗長構成となっており、高可用性を前提とした設計思想が伺えます。

  • CDU In Row
    • 最大 1 MW/台 の高い冷却能力
    • CCU の台数変更により冷却能力を柔軟に調整可能
    • CCU 自体の冗長構成にも対応
  • CDU In Row
    • ラック内実装に対応した省スペースモデルもラインアップ

AIHPC 向けの高発熱サーバー環境において、段階的な拡張や冗長化設計が容易である点は、日本のデータセンター運用においても大きなメリットとなります。

Rear Door LCP CW:高効率・省スペースなリアドア冷却

新製品の Rear Door LCP CW も展示されました。いわゆる 、水冷式のリアドアです。

  • 冷却能力
    • 最大 30 kW の冷却能力
    • アクティブモジュール無し:冷却能力 15 kW
  • 単相 100 V で利用可能
  • センサーからのフィードバックに基づく結露防止ソフトウェアを搭載
  • 厚さ 180 mm と非常にコンパクト

DC 給電を見据えた電源・配電ソリューション

冷却と並び、AI 時代のデータセンターで重要性が増しているのが電源効率です。

DC 給電の本格普及を見据えて

① DC 高電圧の遮断技術

シーメンスとの協業

注目すべき展示の一つが、シーメンスとのコラボレーション による DC 給電ソリューションです

  • シーメンス・SCCB(DC用ブレーカー)+ リタール・ RiLineX
    *SCCB : Semi Conductor Cicuit Breaker の略、半導体サーキットブレーカ

    • データセンター向け DC 分電盤構成

DC はゼロクロスが存在しないため、従来の AC 用サーキットブレーカでは遮断が困難でした。SCCB はパワー半導体と機械式接点を切り替える最新技術により、DC 回路でも安全な遮断を実現しています。なぜ DC 給電なのか?

  • AC/DC 変換ロスの削減
  • 無効電力が発生しない
  • 大電力・高密度環境での高効率給電

② DC 高電圧の RPP

*RPP:Remote Power Panel, データセンタ内サーバーラック用分電盤

現在、GPU 搭載の AI サーバーには OCP ラックを使用した DC 48 V 給電が主流です。しかし、高負荷AIサーバーに対応するべく更に電圧を上げる必要があり、データセンター業界では、近い将来 DC 800 V 給電が要求されます。

そこで、RiLineX を活用した DC 800 V 給電が可能な RPP モデルを展示。RPP 内には三相 AC から DC 高電圧に変換するモジュール複数台を OCP 1 ラック内に設置し、その DC 電源を RiLineX で分電し、高負荷 AI サーバー用ラックに給電する構成です。

従来の配線方式と比べ RiLineX を活用することで、シンプルかつコンパクトに分電盤を設計することが可能です。

データセンターを取り巻く電源環境においてもリタールの 分電・配電製品の主軸であるバスバーシステム、および  RiLineX の存在感を増すことになるでしょう

① DC 高電圧の遮断技術

② DC 高電圧対応RPP  (全体・前面・背面)

セキュリティを重視したマイクロ/ナノデータセンター

エッジコンピューティングや分散配置を想定したソリューションも充実しています。

  • マイクロデータセンター Level E
    • 火災・粉塵・水害対策
    • 不正アクセス、盗難、妨害行為への高い耐性
    • マイクロデータセンター製品群の中でも高セキュリティレベル
  • AXIT ナノデータセンター
    • 小型筐体に回転引き出し式 19 インチフレームを内蔵
    • ファン・ルーバーを各 2 個搭載
    • 設置場所を選ばない柔軟な形態

またリタールはコンテナ型データセンターにおいても多数の実績を有します。コンテナ型またはラック型でのデータセンター普及はグローバルで広がっています。製造業においても、スマートファクトリーや遠隔拠点、研究用途など、日本でも活用シーンが広がりそうです。


マイクロデータセンター Level E(左)  AXIT ナノデータセンター(右)

まとめ:AI を支えるインフラ整備は次のフェーズへ

ハノーバーメッセ全体では AI やロボティクスが前面に打ち出され、工業分野でも AI 活用が本格化していることを強く感じました。その基盤として欠かせないのが、高密度・高効率・高信頼性を兼ね備えたデータセンターインフラです。 リタールは、グローバルでの豊富な導入実績とノウハウを背景に、日本国内においても AI 時代に適したデータセンターソリューションを提供しています。

 

 

公開:2026年5月7日