食品工場効率化の機械・設備に求められる条件と導入時の注意点

食品工場で使われる設備は、どのような目的のためにあるのでしょうか。また、食品工場が持つ課題と、それを解決する設備とはどういったものでしょうか。食品工場の設備について、種類や目的、導入時の注意点を紹介します。

食品工場で使用する設備とは

食品工場では、他の製造業の工場とは異なる特殊な設備が多く使用されています。人の口に入るものをつくる以上、特に安全と衛生に配慮した設備を使用する必要があるためです。また、食品そのものを守ることで食の安全を守っている設備も存在します。代表的なもので、次のように分類される設備があります。

  • 厨房(ちゅうぼう)設備
    調理の際に使用する機器や、食品の加工を行う設備などです。食品製造ラインで使うコンベヤや搬送機なども厨房設備の一部といえます。直接食品に触れることの多い設備であるため、高い基準での衛生性・安全性が求められます。
  • 低温設備
    食品工場において、「冷やす」ことを目的とした設備です。プレハブ冷蔵庫や業務用冷蔵庫、冷凍機器、急速フリーザーなどがあります。
  • 空調設備
    食品工場において空調は重要な役割を果たします。場内の温度・湿度を一定に保つことで食品の傷みを防ぎ、また労働者の環境を整えることで生産性の向上にもつながります。各種エアコンや暖房設備などです。
  • 換気設備
    調理の際に発生する煙や熱気などを排気し、新鮮な空気を吸気する設備です。また食品工場特有の匂いについての問題を緩和する目的も持ちます。換気扇だけでなく、ダクトやフードも換気設備の一部です。
  • 衛生設備
    食品工場において最も重要視されるのが衛生面です。給排水の設備や、身体・着衣の洗浄設備、調理器具の洗浄・殺菌設備などです。

設備によって解決したい課題とは

これらの設備は、どのような課題を解決するためにあるのでしょうか。また、どのような課題があり設備の新規導入や買い替え、更新が行われるのでしょうか。そこには食品を扱う工場特有の課題と、すべての分野において共通の課題があります。

  • 品質を向上させたい
    食品製造において消費者や取引先の信頼を得るためには、品質の維持・向上が不可欠です。現在使用している設備で品質が維持できるか、さらに品質を向上させるためにはどのような可能性があるのかを検討し、より適した設備があれば導入を検討します。
  • より安全・衛生的に生産したい
    人の手が直接触れないことで衛生性の向上を図ることができ、食品としての安全性の確保が可能です。また食品加工機械はいくら定期的に洗浄・清掃しても、経年により食品のカスが蓄積されたり、サビが進んだりします。衛生性を確保する目的で新品への入れ替えをする場合もあります。
  • 安定生産を維持したい
    機械は使用年数や稼働時間により故障が増え、それに伴い生産ライン停止時間も増えてしまいます。また、食品加工機械は研究・開発が進み、進化を続けています。従来、定期的にエラーが起こり人の手で再起動する必要のあった機械では、停止することなく稼働できるよう進歩している製品もあるのです。
  • 生産スピードを上げたい
    人の手で行っていた作業を機械化することにより、作業者の熟練度や体調に左右されていた生産性が安定するだけでなく、生産スピードを上げることも可能です。
  • 危険作業を機械化したい
    食品加工には「切る・つぶす・熱する」など、危険な工程がつきものです。これらを機械により自動化することで、労働災害を防ぐことができます。
  • 省スペース化したい
    従来は大きなスペースを専有していたような設備も、現在は小型化されているものが多く存在します。また、複数の機械により行っていた工程を、一台でこなす機械が開発されている場合もあります。
  • 省エネ化したい
    エネルギーに対する関心が高まるなか、食品設備も省エネ化が進んでいます。従来の設備に比べ大幅に消費電力が少なくなっているものもあります。
  • 生産ラインを効率化したい
    それぞれの設備がひとつの作業に対して効率が良くても、生産ライン全体としての流れが悪く、非効率となっている場合もあります。このような場合に、流れの悪くなっている部分に設備を追加したり、入れ替えを行ったりすることで、全体の効率化を図ることができます。

 

食品工場の設備に求められる条件とは

こういった課題を解決するために設備を導入する場合、どのようなことに注意すべきなのでしょうか。食品にかかわる設備だからこそ求められる条件として、次のような点があげられます。

  • 洗浄・メンテナンスのしやすさ
    食品加工機械は常に衛生的に保たれていなければなりません。そこで重要となるのが洗浄やメンテナンスのしやすさです。食品のカスが詰まりやすい部分や食品に直接触れる部分が、取り外ししやすい構造になっていることで、設備を衛生的に保つことにつながります。
  • 食品通過部にネジ類の使用がないか
    機械である以上、ネジ類や部品の脱落が絶対にないとはいい切れません。もし脱落したネジが食品に混入した場合、信頼を損ねる大きな問題となってしまいます。食品通過部にネジ類の使用がないフラット構造になっていると、より安全な設備といえます。
  • オペレーターに危険はないか
    従業員の危険作業を排除するのは当然です。人身事故のあった食品工場で生産したものは消費者から避けられます。オペレーターに危険のあるような設備は使用しない、または安全性を確保する工夫をしましょう。

これらは食の安全と、企業イメージにも大きくかかわる部分です。上記を踏まえ、次のような点にも注意して設備の導入を検討しましょう。

  • 安全性
    作業者の安全、食品としての安全を保てる設備かどうかをしっかりと見極めましょう。
  • メンテナンス計画
    しっかりとしたメンテナンス計画を立て、その計画を維持できるかを検討しましょう。
  • 耐用年数
    パン・菓子類製造設備は9年、化学調味料製造設備は7年など、目安となる耐用年数が設定されています。会社の投資計画に見合った設備導入を進めましょう。
  • 低コスト
    企業として利益を確保するためには、ランニングコストの低い設備が必要です。安全性を維持しながら低コストで運用できる設備を選びましょう。

食の安全と効率生産を支える設備たち

食品工場の抱えるさまざまな課題を解決するための設備は、日々研究開発が進み、より効率的で生産性の高いものが次々と生み出されています。一方で、食品の品質に対する意識と基準も高くなっています。より高いレベルでの食の安全と効率生産、その両方を支える設備が求められているのです。

参考:

リタール公式Webサイト

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