内線規程とその概要(ダウンロード PDFリンク)

電気の安全を守る規格のひとつに内線規程というものがあります。民間自主規格であるため、法規上の定めではありませんが、内線工事の標準化や安全な施工のために、広く活用されています。内線規程の概要と、そのなかでも特に高い関心が寄せられる項目について解説します。

内線規程とは

内線規程は電気の安全に関する民間自主規格です。内線規程では、電気事業法に基づく経済産業省省令「電気設備に関する技術基準を定める省令」にのっとり具体的な指標を示した工事方法、維持、実務などについて定めています。そのため、この内線規程は、電気工事者の施工マニュアルとして広く活用されています。

※経済産業省Webサイト 「感震ブレーカーの普及啓発」より抜粋
平成28年3月、電気需要場所における電気工作物の設計、施工、維持、検査の規範となる民間規格「内線規程」が改定されました。

内線規程が制定された背景

内線規程は昭和43年(1968年)に日本電気協会によって作成されました。内線規程の前身は明治21年(1888年)につくられた「東京電燈エジソン会社取付規則」だったといわれています。その後は東京電燈、東邦電力、日本電力などの電力会社が個々に規程を定め、運用されてきました。内線規程の統合は、昭和27年(1952年)に始まり、それを受けて、昭和40年(1965年)に通商産業省(現在の経済産業省)から「電気設備に関する技術基準を定める省令」が発令され、昭和43年に現在の内線規程が制定されて以降、改訂が続けられています。

電圧降下の制限について

内線規程のなかで関心が高まっている項目のひとつに電圧降下が挙げられます。

内線規程では電圧降下の制限を、基本的には「幹線2%、分岐2%」上限としては「6%」と定めています。

電圧降下とは、電力伝送路(内線)において内部の電気抵抗により受電ポイントから電気を使用するポイントまでの間で電圧が降下する現象です。電圧が降下すると、例えば白熱電球ならば本来あるべき明るさよりも暗くなってしまいます。またトースターや暖房器具のような発熱機械ならば温度が下がってしまうなど、電気機器が正常に作動しなくなるなどの問題が生じます。それを防ぐためには、電気機器に届く電気を、正常に動作する電圧値の範囲内に収めなくてはなりません。そのため、内線規程では電圧降下に対する制限を設け、電線こう長(電線を敷設する際の2点間距離)に応じて電線の太さを変えるよう定めています。

内線規程とブレーカー

電気の安全に欠かすことができないポイントとして、内線規程では配線用遮断器(ブレーカー)の選定と規格について下記の内容を定めています。

 1.配線用遮断器の特性

 ・定格電流(の1倍)で自動的に作動しないこと

 ・定格電流の区分に応じ、定格電流の1.25倍または2倍の電流が流れたとき定められた時間内に動作すること

つまり何もないときには作動せず、過電流が流れたときには確実に作動することを求めています。

  2.配線用遮断器の規格

配線用遮断器の性能は、日本工業規格(JIS)に適合するよう定めています。配線用遮断器に関するJIS規格は、配電方式や対地電圧などの違いにより国際規格のIEC規格に準じているもの(附属書1)とIEC規格には準じていない(附属書2)の2つの種類があります。内線規程で求められるJIS規格は、日本の住宅などで行われる電気工事に沿うように、IEC規格に準じていない附属書2が指定されています。

    3.定格遮断容量

内線規程での、配線用遮断器の定格遮断容量選定は、日本電気協会の電気技術規程(JEAC 8701)「低圧電路に使用する自動遮断器の必要な遮断容量」を参考にしています。  

    4.極数

内線規程では配電用遮断器が確実に作動するよう、回路の方式に応じて過電流素子の数と開閉部の数を規定しています。例えば一般家庭などに多い単相2線、1線接地方式の場合には、配線用遮断器に求められる極の数は2つ。それぞれの極に過電流素子と開閉部を持つように定めています。

まとめ

内線規程は民間自主規格ですが、電気工事者の施工マニュアルとして広く活用されています。電気を安全に使用するためでなく、作業や工事の標準化という観点からも内線規程を参考にすることができます。JIS規格やJEACを参照する項目も多くありますので、工事を行う際には内線規程だけでなくJIS規格やJEACなどもあわせて参照するようにしましょう。

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