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    期待されるドローンビジネス―業界動向と今後の課題

    ドローンの産業利用は今、どのような状況に置かれているのでしょうか。また、どのような分野でドローンは活躍し、今後どのような課題があるのでしょうか。ドローンビジネスの市場規模と今後の動向予測、活躍する分野と課題について解説します。

    期待されるドローンの産業利用と市場規模

    インプレス総合研究所は、『ドローンビジネス調査報告書2016』にて「国内のドローンビジネス市場規模の予測」の調査結果を公表しました。
    これによると、2015年におけるドローンの産業利用市場規模は104億円とされています。しかしこの調査報告書では、2020年には物流・測量・検査さらには防犯などの分野に活用が広がり、市場規模は1138億円にまで膨らむと予測されています。

    また、MM総研も「ドローン国内市場規模調査」を2017年に公表しました。
    こちらでは2020年に1341億円、2021年に1676億円までと、ドローンの市場規模はさらに大きく膨らむと予想しています。今後期待する活用法としては、空撮、設備保守・点検、測量、警備システム、事故・災害の調査、が上位に挙がりました。

    このように、今後一層ドローンの産業利用は進んでいき、市場規模も拡大すると予測されます。

    進むドローンの産業利用

    すでにドローンはさまざまな分野で活用されています。そのうち、産業利用として注目され、活用が進む2つの分野についてご紹介します。

    災害調査

    2000年に起こった有珠山の噴火では、すでにドローンが利用されていました。まだドローンという名が世間に知られていないころです。海外では2015年のバヌアツでのサイクロン災害で活用され、2016年には熊本地震の被害状況の調査でも活躍しました。

    ドローンによる災害調査は、被害状況を迅速に把握し、空撮による被災証明の早期発行といった支援の効率化を助けるとして注目されています。

    建設業界

    ドローンは建設業界でも活躍しています。
    近年、建設業界は就業者数が減少し続け、人手不足が深刻化しています。

    そうしたなか、ドローンで撮影した写真から3D図面を作成する技術が、施工管理に用いられています。また測量の分野でもドローンを使うことで、大幅に人と時間を節約することに成功しています。

    このように、今後一層人手不足が懸念される建設業界では、もはやドローンは無くてはならない存在となっているのです。

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    ドローンの産業利用における課題

    しかし、すべての分野においてドローンの活用が進んでいるかというと、そうでもありません。ドローンが多様な産業に利用されるようになると、それに伴いさまざまな課題が出てくることも予想されます。

    ドローンの開発が進むなかで、期待が集まった利用法として宅配や物資輸送があります。
    しかしドローンが荷物を積み、人の頭上を横切るとなると、荷物やドローン自体が落下する危険性に対して確実な安全性が証明されなければ、この分野での活用は不可能です。

    また、現行の法律上ではさまざまな問題があることも、ドローンの産業利用における課題といえます。
    例えば民有地の上空を飛行させるためには所有者の許可が必要となります。道路付近での飛行は、道路交通法に抵触する可能性もあります。こういった法に関する問題が解決されなければ、ドローンの活躍の幅は広がっていかないでしょう。

    こうした課題と各産業からの要望を受け、国も制度の改正に乗り出しています。
    国土交通省は、改正航空法に関する調査書「改正航空法の制度と現状等」を2017年に公表しました。この中で、ドローンの活用の幅が広がる一方で、安全面の課題も多く残されていることを説明しています。また、ドローンが今後さまざまな分野で活用されることにより、新たな産業やサービスを生み出し国民生活の質を向上させることが期待されるとしています。

    このようにまだ課題の多いドローンですが、法整備が進むことでさらにドローンの産業利用は加速していく見通しです。

    ドローンには多くの可能性

    ドローンの産業利用について、市場動向とすでに活用されている分野、そしてこれからどのような分野での活躍が期待されているのかを解説しました。ドローンの産業利用は、まだ数年の歴史しか持っていません。産業利用の市場規模は今後さらに膨らむことは確実と見られ、多くの可能性が期待されています。

    参考:

    総合カタログ35
    総合カタログ35は、IT業界・製造業で使用される当社製品をすべて網羅し、設計者、開閉装置(スイッチギア)メーカー、データセンター事業者のニーズを満たします。世界中で幅広く使用されている産業用キャビネット・ボックス、分電・配電システム、温度管理システム、ITインフラストラクチャ製品ラインアップの詳細情報を、936ページにわたってご紹介しています。

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