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衛生環境を維持しやすくするハイジェニック製品とは

作成者: admin|Aug 24, 2020 1:46:00 PM

ハイジェニック(Hygienic)とは「衛生的な」という意味。工業の分野では食品工場や医薬品の生産設備など、高い衛生管理が要求される現場に対して使われます。ここではハイジェニック、つまり衛生的な環境で使用される製品についてご紹介します。

ハイジェニック製品とは

食品や医薬品を加工・製造する現場では、通常の生産現場とは異なる高い衛生管理が要求されます。そのような現場では、衛生環境を維持しやすくするために特別な設計をされた機器を使用する場合があります。このように高い衛生管理や、衛生環境の維持に配慮した機器をハイジェニック製品と呼びます。

ハイジェニック製品と一般的な製品との違い

ハイジェニック製品は他の一般的な製品と比較して、具体的にどのようなところが違うのでしょうか。

例えば機械の油が製造ラインに落ちないように機械式の駆動部が密閉されているケースがあります。これは設置される機器が衛生的であることを満たしています。

一方で衛生的な状態を維持できるという機能には、具体的には洗浄や清掃がしやすいことや、汚れが留まりにくい形状であることが挙げられます。例えば食品工場で食品を混ぜ合わせるミキサーであれば、食品に触れる全ての部品を簡単に分解洗浄することができるようになっています。また容器の隅には、汚れが留まりにくく洗浄しやすいように、大きめの隅R(すみアール)がついていたりします。

ハイジェニック製品に求められる性能

ハイジェニック製品は通常の製品に比べ、次のような性能を要求されます。

  • 耐腐食性

錆のような腐食は機器の表面に凹凸を作り、汚れが付着する原因になります。また腐食した部位が剥がれ落ち、生産ラインに混入するといった問題につながる可能性もあります。そのため、ハイジェニック製品には高い耐腐食性が求められます。

  • 洗浄のしやすさと耐久性

ハイジェニック製品は衛生状態を維持するために洗浄しやすいことが求められます。前述のように、分解洗浄しやすいことや汚れが留まりにくい形状であることが求められるだけでなく、洗浄に使われる水や洗剤、蒸気や薬品などに対する耐久性を持っていることも必要になります。

ハイジェニック製品の種類

ハイジェニック製品は大きく分けて2種類あります。生産する製品に直接触れるものと触れないものです。ここではハイジェニック製品の具体的な例を、種類ごとに分けてご紹介します。

直接触れるもの

液体の医薬品を流すためのポンプ、材料の重さを測る計量器、材料を撹拌(かくはん)するミキサーなどです。故障や破損があると異物混入といった問題につながりますので、耐久性が重要になります。また定期的な洗浄を必要とするものも多く、分解洗浄やメンテナンスがしやすいことが必要になります。

直接触れないもの

生産現場の出入り口のハンドルや、生産設備を支える脚部のアジャスター、生産現場に設置されるキャビネットなどです。これらの製品は生産するものに直接触れる製品とは異なり、分解して内部まで洗浄が行われるケースは少なくなります。しかしその分、メンテナンスや点検が行われる頻度も下がりますので、長期間の使用に対し高い信頼性が求められるようになります。

まとめ

食品や医薬品に対する衛生管理は近年ますます高まる傾向にあります。それにともない、高い衛生環境の維持に適したハイジェニック製品への関心も高まっています。衛生管理を重視する生産現場では、生産設備だけでなく周辺の機器も含めて、ハイジェニック製品の検討をしてみてはいかがでしょうか。

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