電気回路と論理回路で見え方が異なるバッファ回路の存在

電気設計として論理回路を扱うとき、バッファ(緩衝)回路を目にすることが多くあります。バッファ回路は論理回路だけで見ると、回路全体における必要性がよくわかりません。しかし、バッファ回路も論理回路の設計において必要な回路であり、その必要性は電気回路を見ることで理解することができます。論理回路だけでは必要性がよくわからないバッファ回路について、わかりやすく紹介します。

電気回路と電子回路の違い

はじめに、電気回路と電子回路の違いについて説明します。名前は似ていますが、指している回路は若干異なります。

このふたつの差を理解するためには、まず受動素子と能動素子を理解しなくてはいけません。受動素子とは抵抗器やコンデンサなど、流れる電気をそのまま通す素子のことです。抵抗器やコンデンサを流れた電気は、素子を流れた分の電気は減少するものの、基本的にはそのまま流れます。一方能動素子とは、受動素子のようにただ電気を流すだけではなく、電気を増幅したりエネルギーの変換を行ったりする素子です。例えば電気を増幅させるトランジスタや、整流作用を持つダイオードなどが知られています。

受動素子だけで構成された回路が電気回路、受動素子だけでなく能動素子も含まれた回路が電子回路です。

電気機器の設計に必要となる論理回路

電気設計者として回路を作成する場合、電気回路と電子回路の知識だけでは不十分で、論理回路に関する知識も必要となります。

機器の制御には二進法や真理値による論理演算が行われています。二進法や真理値の表現には電圧の正負と高低、位相の差異、電流の向きや量などが使われています。論理演算を行うためには電気回路や電子回路を構成しなくてはならず、その結果、回路は非常に複雑なものとなるのです。そこで論理演算を行う電気回路や電子回路を記号で表現し、全体の制御内容を表現したものが論理回路です。

例えばAND回路を二進法により説明すると、複数存在するすべての入力端子に1が入力されたときのみ1を出力する回路となります。OR回路は、複数ある入力端子のいずれかに1が入力されれば1を出力します。NOT回路はひとつ存在する入力端子に1が入力されれば0が、0が入力されれば1が出力されます。これらAND回路やOR回路、NOT回路の中では複雑な電気回路や電子回路が構成されていますが、論理回路ではひとつの記号として入力と出力を表現します。

一方で、今回の主題であるバッファ回路は論理回路上では何も起こらず、入力と出力の間に差が生じているようには見えません。では、なぜ論理回路として存在しているのでしょうか。

電気回路におけるバッファ回路の必要性

バッファ回路の必要性は、電気回路で見ると理解することができます。前章で説明したとおり、論理回路も電気回路や電子回路であり、それぞれの回路には電気抵抗も存在します。そのため、回路が複雑になり長くなるほど、流れる電気の電圧は下がり、信号強度も悪化します。そこで必要となるのがバッファ回路です。バッファ回路には入力された電気の電圧、及び信号強度を補正する機能があります。そのため、バッファ回路を流れた電気は電圧、及び信号強度が補正され、あらためてその後の回路を流れていくことができます。機能が「電圧、及び信号強度の補正」であることから、論理回路で見ると何も起こらず、見た目にはただ流れただけとなってしまうのです。

バッファ回路は電気設計において欠かすことができない存在

電気は、導線や抵抗などの機器で構成される回路を流れれば、必ず電圧降下を起こすものであり、その中で電圧を補正する役割を持つバッファ回路は欠かすことができません。バッファ回路を上手に使いこなすことが、電気設計者としての技術のひとつといえるでしょう。

参考: 

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