スペースヒーター:多くの工業用の製品にもヒーターとして広く使われるPTCヒーター

身のまわりにある製品の多くでは、ヒーターが内部に備え付けられています。その種類はさまざまですが、広く使われているヒーターのひとつにPTCヒーターがあります。なぜPTCヒーターが広く使われているのでしょうか

さまざまな製品で広く使われるPTCヒーター

PTCヒーターとはどのようなヒーターなのでしょうか。

 PTCヒーターは、スイッチを入れ電気を流すことで、電流の大きさに伴い温度が上昇します。温度が上昇し続けキュリー温度を上回ると、PTCヒーター自身の抵抗値が上がり電気が流れにくくなります。

PTCヒーターの温度は電流の大きさによって変化するため、電気が流れにくくなれば温度の上昇も抑えられることになるのです。時間が経過し温度が下がれば、抵抗値が下がるので電気が流れはじめ、再び温度が上昇すると抵抗値が上がり電気が流れにくくなります。これをくりかえすことで、PTCヒーターは常に一定の温度を保つことができるのです。この特性を持つPTCヒーターは、温度を自己制御できるヒーターとしてさまざまな製品で広く使われています。

 

省エネ実現! PTCヒーターを使うことのメリット

温度を自己制御できるPTCヒーターですが、PTCヒーターを使うことでどのようなメリットがあるのでしょうか。PTCヒーターの大きなメリットはその省エネ性です。

ニクロム線やカーボン繊維などが使われる一般的なヒーターでは、スイッチを入れると温度は常に上昇します。しかし温度が過度に上昇すると、火事の原因や機器自体へ深刻なダメージを与えることになるので、必ずヒーターの温度は制御しなくてはいけません。このとき、一般的なセンサーの温度制御は、一定温度まで上昇したら電源を切り、一定温度まで下がれば電源を入れるというように、電源のオンとオフで行います。また、ヒーターの温度を制御するためのセンサーも別途必要となり、部品点数が増えます。

一方、PTCヒーターは電源をオン、オフしなくても温度制御が可能です。一般的ヒーターより省エネ効果があり、温度制御のためのセンサーも必要ありません。

こんなところでもPTCヒーター。身のまわりでPTCヒーターが使われている機器

PTCヒーターは実際どのように使われているのかを紹介します。

配管凍結防止用

工場内や船、プラントでは配管が使われ、その中に液体を流すことで温度の調節やモノの移動、動作の制御を行っています。その際、配管を流れる液体が過度な低温により凍ると、液体の流れが滞り最終的に配管の破損につながりかねません。そこで液体を凍らせないようにヒーターをつけているのですが、ここにPTCヒーターが利用されているのです。

産業用機械の加熱や保温

モノを製造する際には多くの産業用機械が使われています。各産業用機械ではモノを温めたり、温度を一定に保つなど、製造工程のなかで熱を制御する場面が多く見られます。その際、正確な温度管理が必要であるため、温度を自己制御できるPTCヒーターは非常に重宝されるのです。

乾燥機器の熱源

乾燥機器の熱源にもPTCヒーターが使われています。乾燥機器は熱源で発生させた熱を送風機で乾燥室に送ることで乾燥させています。乾燥する際には温度が一定に保たれる必要があるため、PTCヒーターが使われるのです。

制御盤等の結露防止

密閉された制御盤等では、周囲の温度変化によって盤内の湿度が高まり、結露する場合があります。対策として、湿度センサー等と組み合わせて、湿度を制御します。

ヒーターはPTCヒーターのほかにもさまざま

広く使われているヒーターのひとつとしてPTCヒーターを紹介しました。ヒーターにはほかにもさまざまな種類があります。製品の設計をする際、PTCヒーターを組み込むことは省エネ性や安全性から見てもいいアイデアとなるはずです。設計する製品の仕様をよく考慮したうえで、最適なヒーターを選定するようにしましょう。

 

参考:

 

 

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