開閉装置―スイッチギアの規格の種類と役割について知ろう

開閉装置について解説します。開閉装置、スイッチギア、そしてキュービクル。いろいろな呼び方をされる開閉装置は、それぞれどのような意味を持つのでしょうか。開閉装置に関連する3つの規格と、開閉装置の重要な役割を紹介します。

開閉装置の役割

電力回路または電力を用いる機器の動作において、その電路を開閉、つまりオンとオフする機器を開閉器といいます。この開閉器の役割を高電圧向けにさらに拡大したものが、一般的に開閉装置と呼ばれています。具体的には、遮断器や断路器、設置装置などを金属製の箱の内部に集約し、長期間安全に使用できるよう絶縁性能を持たせたものを指します。

電気は、送電中の損失を極力小さくするため、高電圧で送られます。これを工場やビルなどで受電し、使用に適した電圧へと変換して建物の各部へ供給します。このとき、受電・変圧・分配・供給を行うための機能を集約した設備が開閉装置です。高電圧を受電し、変圧やオンオフといった電気的負荷を伴う役割も担うため、十分に安全が確保された状態で作動することが求められます。

開閉装置はスイッチギア(スイッチギヤ)とも呼ばれます。設置方法としてキュービクル形・メタルクラッド形・コンパートメント形があり、屋外でよく目にする開閉装置には、一般的にキュービクル形が使われています。

開閉装置の規格

電開閉装置には3つの規格があります。

国際電気標準会議規格:IEC 61439

「低電圧開閉装置および制御装置アセンブリのサービス条件、施工要件、技術特性、および検証要件」について定義しています。定格電圧を超えないものに関して直流1,500V、交流1,000Vまでが適用範囲です。発電・送電・配電・変換、および電力消費装置の制御に使用するための開閉装置について規定されています。また、船や列車など、特別な環境で使用される開閉装置についても規定されています。

日本電機工業会規格:JEM 1425

「金属閉鎖形スイッチギヤ及びコントロールギヤ」について定義しています。適用範囲は、定格電圧1kVから52kVまでで、ビルや工場、公共施設などの受電設備、病院を含む重要施設の受電設備について規定しています。

日本工業規格:JIS C 4620

「キュービクル式高圧受電設備」について定義しています。公称電圧 6.6 kV、系統短絡電流 12.5 kA 以下の回路に用いる受電設備で、容量 4,000 kVA 以下のキュービクルが対象です。小規模工場の受電設備や、ショッピングセンターのような商業ビルの高圧受電装置について規定しています。

スイッチギアとコントロールギア

スイッチギアのほかに、コントロールギアと呼ばれるものがあります。この2つはどう違うのでしょうか。

本来スイッチギアとは、電路開閉を目的としたスイッチングユニットのことをいいます。しかし日本では、金属製の箱に収められた開閉装置を指して、スイッチギアと呼ぶのが定着しています。

一方でコントロールギアは、開閉装置ではなく制御盤に分類されるものです。例えば、電動機などの負荷装置を制御することを主目的としたものは、広義では制御盤、狭義では動力盤と呼ばれます。

ここでいう「ギア」とは歯車のことではなく、「器材」「機器」「装置」といった意味合いで使われています。

開閉装置に用いられる絶縁体

開閉装置の絶縁体として使われているのは、空気・ガス・固体の3種類です。

空気は取り扱いが容易で、メンテナンス性も良好です。しかし、絶縁性を確保するためには十分な距離が必要となり、開閉装置が大型化するという難点があります。

ガス絶縁開閉装置(C-GIS)の絶縁体として用いられるのは、SF6ガス(六フッ化硫黄ガス)というガスです。空気に対し同体積で3倍の絶縁性を持ち、安全かつ小型化が可能ですが、温暖化係数がCO2の23,900倍もあり、環境面での課題が大きいのが現状です。

固体絶縁スイッチギアの絶縁体として使われるのは、主にエポキシ樹脂です。もともと絶縁性能を持つエポキシ樹脂ですが、さらに高い絶縁性能を持たせた高性能エポキシ樹脂が、近年では使われています。これにより、絶縁性を確保しつつ、以前より小型で軽量の固形絶縁スイッチギアが実現しています。

これまではSF6ガスを使ったC-GISが主流でした。しかし地球温暖化防止京都会議により、SF6ガスは排出抑制対象ガスのひとつとして指定されました。これを受け、SF6ガスを使わないスイッチギアが望まれるようになってきています。

電気の安全を守る開閉装置

開閉装置、スイッチギア、コントロールギア、キュービクルなどの意味と働き、そして規格について解説しました。開閉装置は、電気を安全かつ効率良く使うためになくてはならないものです。それと同時に、これまでの基準からより環境への配慮を重視したものが求められるように変化しています。また、稼働時の安全性と、安全を守るためのメンテナンス性は、日々研究開発により向上しています。

参考:

リタール公式Webサイト

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