IoTとエッジコンピューティング

IoTサービスが普及していくなかで注目されているのが「エッジコンピューティング」。その仕組みについて解説していきます。

IoTにおけるデータのやりとりの仕組み

IoTでは、機器(センサー)によって収集された膨大なデータを解析することにより、新たな価値やビジネスを創出することが期待されています。そのデータのやりとりの仕組みについて解説します。

IoTとは

IoTとはInternet of Thingsの略、つまりモノのインターネットという意味で、工場にある工作機械や家庭にある電気製品などの「モノ」がインターネットに接続されることを指しています。

IoTには大きく分けて2つの軸があります。1つは離れたモノの状況を知ること、もう1つは離れたモノを操作することです。

  • 離れたモノの状況を知る

工場の工作機械の場合、稼働状況やエラーの状況がインターネットを介して工作機械のサプライヤーへ届き、サプライヤーが現地に行かなくてもメンテナンスや修理の必要性を判断することができます。これが離れた場所にあるモノの状況を知る例です。

  • 離れたモノを操作する

家庭用のエアコンであれば、あと30分くらいで帰宅できそうだと判断したときに、スマートフォンからインターネットを介して電源を入れたり、設定温度を変更したりすることができます。これが離れた場所にあるモノを操作する例です。

IoTで収集可能になるデータとその活用例

IoTでは、機器に取り付けられたセンサーからさまざまなデータを収集することも可能になります。先に挙げた工作機械であれば、稼働状況やエラーの状況、また家庭用のエアコンであれば、感知する室内の温度やインターネットを介してスイッチを入れた時刻などです。

IoTにより、工作機械のサプライヤーは世界中の工作機械の稼働状況やエラーの状況を把握することができます。さらに、そこで収集されたデータを分析することで、工作機械の課題が分かりやすくなり、より良い製品を作ることが可能になるのです。家庭用のエアコンであれば、室内の気温や気象情報、エアコンのスイッチを入れた時刻などを分析することで、ユーザーが自宅手前で一定の距離に近づいたらエアコンのスイッチが自動で入るような制御システムを検討することができます。

IoTにおけるデータのやりとりの仕組み

IoTにおけるデータのやりとりには、クラウドコンピューティングが深く関わっています。インターネットに接続された各種機器から送られてくる情報は、クラウドサーバーへと集められます。工作機械の稼働状況のデータを分析したり、スマートフォンからエアコンを操作しようとしたりする場合、ユーザーはクラウドサーバーにアクセスし、分析や操作を行うことになります。

エッジコンピューティングとは

IoTの枠組みにおけるエッジコンピューティングの位置づけと、その役割について解説します。

エッジコンピューティングとは

エッジコンピューティングとは、ユーザーの近くに設置されたサーバーを介してデータのやりとりをすることです。このようなサーバーをエッジデータセンターと呼びます。エッジデータセンターの「エッジ」とは隅や周辺という意味で、エッジデータセンターという呼び名は、ネットワーク上の「隅」にあるサーバーという意味を持っています。

IoTにおけるエッジコンピューティングの役割

エッジコンピューティングには大きく分けて2つの役割があります。1つは通信や処理遅延の解消、もう1つはIoTによって爆発的な増加が見込まれるデータの受け皿です。

まずは通信遅延についてですが、通信速度はデータセンターとの距離が離れれば離れるほど遅くなります。処理遅延に関しては、クラウド上でのデータ集中や混雑による処理待ちが生じます。ユーザーに近い場所にあるエッジデータセンターであれば通信や処理遅延を解消することができます。

またIoTでは、モノがインターネットに繋がり、さまざまなデータが収集されます。IoTが進めば、データの量は爆発的に増加していき、既存のクラウドの容量を遥かに上回る量のデータが飛び交うことにもなります。そのような変化を受け、蓄積されるデータの受け皿としてエッジデータセンターの役割は今後さらに重要になってくるでしょう。

2つの大きな役割以外のものとしては、収集されるデータの一次処理や、スマートフォンのような端末のアプリケーションの実行もエッジデータセンターの役割になります。これにより、端末の性能に依存せず、リアルタイム性を確保し安定してアプリケーションを使用することができます。

IoTにおけるエッジコンピューティングの位置づけ

IoTはまだ普及の途上にあります。エッジコンピューティングについても同様です。

しかし、通信速度の低下や収集したデータを保管できる場所がないなどの問題は、実際に起こる前に対策を行う必要があります。IoT対策の過程のなかで、エッジコンピューティングについて考える必要があるでしょう。

 

参考:

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