スイッチギア(スイッチギヤ)とは 種類や役割について

配電用の設備として使用されるスイッチギア。スイッチギヤと呼ばれることもあります。馴染みのない言葉ですが、電気の安全のために欠かすことのできない設備のことで、国際電気標準会議(IEC)にも記載があります。スイッチギアとは一体何なのか、どのような役割を持つのかを紹介します。

スイッチギアとは

スイッチギアとは、接地(アース)された金属の箱の中に開閉装置と呼ばれる電気の回路を開けたり閉じたりするための装置を収納したものです。高圧や特別高圧の電気を受電する際には欠かすことのできない設備で、ビルや工場などに設置されています。金属閉鎖形スイッチギヤと呼ばれることもあります。

スイッチギアの種類

スイッチギアには、据付方式による分類と、絶縁方式(材料)による分類の2つがあります。

  • 据付方式による分類

据付方式には3つの種類があります。MW(メタルクラッド形)、PW(コンパートメント形)、CW(キュービクル形)です。
MW形は、金属板で仕切られたコンパートメントの中に機器が収められています。コンパートメントごとに機器を引き出すことができ、仕切りの金属板は接地されています。
PW形は、金属ではない板で仕切られたコンパートメントの中に機器が収められています。コンパートメントごとに機器を引き出すことができます。MW形との違いは、仕切りの板の材質です。
CW形は、スイッチギアの内部がPW形やMW形のように仕切られていません。MW形とCW形に区分されないスイッチギアは全てCW形になります。

  • 絶縁方式による分類

絶縁方式には大きく分けて2つの種類があります。SF6ガス(6価フッ素硫黄ガス)を封入しているものと、そうでないものです。

SF6ガスによって絶縁するものはC-GIS(ガス絶縁開閉装置)と呼ばれます。SF6ガスは、高い化学安定性と絶縁性能をもっています。さらに、アーク消弧性能にも優れているため、放電によるアークを早く減衰させることができます。しかし一方で、SF6ガスは温室効果が非常に高いという特徴があります。そのため近年では、環境保護の視点からSF6ガスを使用しないスイッチギアも増えてきています。

SF6ガスを使用せず絶縁するには、乾燥した空気(ドライエア)で真空に近い低圧にしたり、絶縁性能に優れた高性能エポキシを使用したりする方法があります。

スイッチギアの規格

スイッチギアの規格は、日本電機工業会(JEMA)によってJEM1425「金属閉鎖形スイッチギヤ及びコントロールギヤ」によって定められています。類似の規格としてJIS C4620がありますが、こちらはスイッチギアよりも定格電圧の低いキュービクルを対象としています。

また、IECではIEC62271に種類やテスト方法などを規定しています。

スイッチギアの役割

大きなビルや工場など、電力消費量の多い施設では、家庭用とは違う高圧の電気が送られてきます。高い電圧のまま送電したほうが、途中での電気的損失が少なく、効率的に大量の電気を送ることができるからです。
しかし、高い電圧のままでは使うことができませんので、受電設備と呼ばれる設備で電気を受け、使用しやすい電圧に変換してから施設の各所に送りこみます。この設備が、キュービクルやスイッチギアです。受電施設のなかでも特に電圧が高い2,000Vから8万Vほどの電気を受け、電気の回路を開いたり遮断したりする役割を持っているものをスイッチギアと呼んでいます。
スイッチギアに求められる役割として最も大切なことは絶縁です。なぜなら高圧の電気は大変危険だからです。数万ボルトに及ぶような電気の場合、電線に直接触れなくても数メートルの距離まで近づくだけで感電してしまうのです。また、万が一漏電や感電が起こった場合には、大きな事故になってしまいます。電圧が高いからこそ、電気が目的の場所以外に流れていかないための絶縁が必要になるのです。そのためスイッチギアでは、金属の箱を使用して接地(アース)させることが標準として定められています。また空気を伝っての漏電を防ぐために、スイッチギアの内部に絶縁ガス(SF6)を封入したり、乾燥した空気を低圧で封入したり、絶縁性能の高い樹脂で覆たり、などの対策がとられています。

まとめ

ビルや工場などに欠かすことのできないスイッチギア。省スペースや環境対応の製品も多くありますので、目的や電圧に合わせて、正しく選定するようにしましょう。

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