制御盤用クーラーの役割

極端に高温、低温な環境は電気機器の誤作動の原因になったり、電気機器の寿命を縮める原因となったりしてしまいます。一般的に、制御盤の内部は経済面も考慮すると35℃程度までが適切であると言われています。

しかし収納された電気機器からの発熱により、制御盤の内部は高温になりがちです。そこで必要になってくるのが制御盤内の温度管理です。ここでは制御盤に使用するクーラーについてご紹介します。

制御盤用クーラーの種類

制御盤に使用されるクーラーは設置する場所によって、大きく2種類に分類されます。制御盤の上に設置するルーフ型と、制御盤の壁面に設置するウォール型です。制御盤を設置する周囲のスペースによって、2つの種類を使い分けます。

ウォール取り付け型クーラー

制御盤の扉や側面などに穴を開けて取り付けます。制御盤の扉や側板を丸ごとクーラーユニットに交換できるタイプもあります。制御盤の周囲のスペースにある程度の余裕が必要になります。制御盤内部に余裕がある場合は、埋め込んで取り付けることができるものを選ぶことも可能です。

ルーフ取り付け型クーラー

ルーフという名前の通り、制御盤の天井に取り付けるクーラーです。制御盤の周囲に余裕がなく、制御盤の天面から天井までの間にスペースの余裕があるときに使います。

制御盤用クーラーの冷却方式について

制御盤用クーラーの種類は設置される場所で2種類に分けられましたが、冷却方式によってさらに細かく分類することができます。ここではクーラーの冷却方式についてご紹介します。

コンプレッサー式クーラー

コンプレッサーで冷媒を圧縮・膨張させることで生じる温度差を利用して冷却するクーラーです。仕組みとしては一般的なクーラーや冷蔵庫などと同じになります。

設定温度が簡単に変更できるほか、キャビネット内の温度が想定を上回って上昇した時などに警告や警報を発する機能をなども備えているのが特長です。また他の方法に比べ、冷却効率が高いことも特長として挙げることができます。冷媒としてフロンや代替フロンを使用していない環境対応タイプもありますので、設置の際には冷媒の種類などにも着目し、目的に合ったものを選びましょう。

電子式(ペルチェ)クーラー

電気を流すと低温側と高温側が生じる半導体(ペルチェ素子)を利用したクーラーです。この低温側に風を当てることで空気を冷却し、キャビネット内部の温度を下げます。半導体に電気を流すだけという単純な構造のため、小型化が可能であることや、音や振動を発生しないことが特長です。一方でコンプレッサー式に比べ冷却効率が低いことや、半導体そのものが過熱してしまうと冷却が得られなくなってしまうため、半導体そのものの冷却についても考慮する必要があります。

水冷式クーラー(熱交換器)

冷却に水を使用した熱交換器です。チラーやクーリングタワーなどの温まった冷却水を再冷却する機器と併せて使用します。外部から空気を取り込んだりする必要がないため、クリーンルームの内部のように埃を立てることができない環境や、逆に粉塵環境下などで外部の空気をキャビネット内に取り込むことができない環境などに使用することができます。

冷却水を循環させる必要があるため、装置が大掛かりになりますが、ランニングコストが低いことなども特長として挙げることができます。

制御盤の正常な動作のために必要なクーラー。内部の電気機器の排熱や、周囲の環境に合わせて適したものを選ぶようにしましょう。また省エネ対応のクーラーもありますので、選定の際に考慮することで経費削減につながる可能性もあります。


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