電気機器におけるキャビネットの規格

電気機器におけるキャビネットとは配電機器や制御機器を収納し、保護するための箱を指します。電気の安全を守るために、キャビネットには性能や構造について定めた規格があります。日本で使うキャビネットは日本の規格を満たしている必要がありますし、海外で使用する場合にはそれぞれの国の規格を満たしている必要があります。ここでは日本のキャビネット規格や、海外での規格についてご紹介します。

キャビネットの日本国内における規格

キャビネットの規格は当初、日本工業規格(JIS)などで分電盤や制御盤などの一部として規定されているだけでした。キャビネットの性能や構造などについて詳しく規定する規格ができたのは2002年。一般社団法人キャビネット工業会によって、海外の規格なども参考にしながら定められました。その後、2007年には金属製のキャビネットと樹脂製のキャビネットを区別するために、樹脂製キャビネットについて規定する規格ができました。

ここではまず、キャビネットの日本国内規格であるCA100とCA200についてご紹介します。

CA100

キャビネットのうち、材料が金属であるものについて定めた規格です。

人や動物による接触や、水などの侵入に対する保護等級(IP)のほか、ドアや本体が荷重に対してどれだけ耐えられるべきかという機械的性能、耐震性や塗装の強さ、板厚や寸法精度などについて定められています。

CA100のみに規定されている性能としてはドアの引張試験や外部圧力に対する性能、塗装の強さや塩水に対する性能などがあります。

 

CA200

キャビネットのうち、材料が樹脂のものについて定めた規格です。金属製のものと区別するために、2007年にCA100をもとにして新たに作られました。

CA100同様、内部の電気機器に対する保護等級(IP)や、機械的性能、耐震性や塗装の強さについて定められています。

CA200のみに規定されている性能としては、耐衝撃性や耐候性(寒暖の差などにより樹脂の劣化を早める恐れのある気候に対する耐久性)、絶縁耐力と耐熱性などがあります。

CA200内では樹脂製のキャビネットを、特に「ボックス」と呼んでいます。

 

 

キャビネットの海外における規格

海外に輸出したり、海外の工場で使ったりするキャビネットは、現地での規格を満たしている必要があります。また国内で使用する製品においてもISO(国際標準化機構)の導入が進んでいるのと同じように、日本の規格のみならず海外の規格も満たすようにしようという動きもあります。

ここではキャビネットに適用される、海外の主要な規格についてご紹介します。

IEC 国際電気標準会議

IEC とはInternational Electrotechnical Commission。日本語では国際電気標準会議と呼ばれています。電気、電子系の技術分野を対象とし、使われる用語や記号、互換性などのほか、安全や環境への配慮などについての国際標準を定めています。

キャビネットでは外来固形物の侵入、危険な部分への人体の接近、水の侵入に対する保護等級(IP)がIECによって定められています。この基準を満たすキャビネットは証明書が発行されるほか、マークによりその等級を表示することが許可されます。

UL

UL規格は、アメリカ保険業者安全試験所(Underwriters Laboratories Inc.: UL)が策定する製品安全規格です。電気製品を中心に、材料や部品、装置など広い範囲に適用される規格です。アメリカ国内で使用される製品はUL認定を受ける必要がある場合も多く、キャビネットもその一つに数えられています。キャビネットについては、防食性、結氷、防水防塵性能などについて定められています。

ULにはカナダ向けの規格もあり、cULと呼ばれています。カナダにはカナダの規格CSAがありますが、cUL認定を受けた製品はCSAも満たしているとみなされます。

UL認定を受けた製品にはULマークの表示をすることが許されます。

TÜV

TÜV(テュフ)とは、ドイツの試験機関です。欧州統一規格ENの公認検査機関で、TÜVによってEN規格に適合していると認定された製品にはTÜVマークの表示が許可されます。

EN規格とは欧州標準化委員会によって定められた規格で、加盟国はこのENを自国の規格とするよう定められています。

CE

CEとは、全てのEU加盟国の規格を満たす製品に付けられる認証マークです。EU加盟国内で、各国の規格に規制されることなく流通が可能であることを示すため、技術のパスポートとも呼ばれています。

EU加盟国にはEN規格の加盟国がありますので、CEの認証を受けるためにはEN規格にも適合していることが必要となります。

グローバル化の時代、海外ではそれぞれの国や地域で要求される規格は様々です。選定の際の参考にしてみてください。

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